file.88  菊壽堂義信の「高麗餅」

Pocket

いちにちいちあんこAさんとご一緒して大阪を廻ってみよう、となったとき、Aさんから「どこか行きたいところはある?」と訪ねられて、まず最初に頭に浮かびましたのが「北浜というところにある菊壽堂さん」でした。

『あんこの本』(姜尚美著・京阪神エルマガジン社)を読んでいた時に、こちらの「高麗餅」を紹介している記事を拝見し、その美しさ、佇まいにズキュンとやられてしまい、心にへばりついてしまっていたのでした。

さて、そうしてAさんの車でやってきましたよ~!
まったく土地勘ありませんが、この北浜というところは東京で言うと虎の門とか霞が関みたいな感じなんでしょうか。官公庁があったりするような場所みたいですね。

周囲は、いかにも立派なビルが立ち並んでますが、その一角に古い日本家屋が何件かあるエリアがポツンとありまして。
しかもその中に、上品に佇んでいるお店なもんで、何度も前を通り過ぎちゃいましたよ。店先のお写真、撮ったつもりだったんですけど、Aさんに取ってもらったこれしかなかった^^;。

20150329-4

ちょっとわかりにくいかな~。

でも、店先からして清げで何とも言えない佇まい。これは間違いなく美味しいお店だあ!と一人興奮するわたくし!

早速、お店に入るや、おもむろに「高麗餅」を注文。Aさんはおぜんざい、Aさんの奥さまは私と同じ高麗餅をオーダー。

そしてそして……

20150329-1

 

これですよ、これこれ~~!

これが心に張り付いていた、憧れの「高麗餅」です~!!!!
一目瞭然ですけども、五種類のあんこが一皿で楽しめちゃいますよ~!

『あんこの本』の記事によりますと、「にぎり寿司と同じで、できればその場で食べてもらいたい」(17代目ご主人談)とのことなんですが、まさに握り寿司のようなたたずまい。この美しい山型は握った時のかたちですよね。
20150325-3

さてさて。どれから頂こうかな~と、ちょっと悩みましたが…、
まずは、と粒あんからパクリ。わああ、なんて上品な甘さ!皮が柔らかい!粒あんならではのコクがたまりませんよ!
次は白あんをパクリ。おおおお、白あん、これこそ私が考える上方の白あんですよ。しかも何となく京都の白あんとは違いますよ。なんて言ったらいいのかな、男っぽいさっぱりした白あんって感じです。美味しいわあ。

そして、見るからに抹茶が濃そうな抹茶あんをちょっとだけ舐めてみましたら…

20150329-4

うわっ。
抹茶が濃い~!!
美味しい~~!!!

この抹茶あんをいただきましたら、まるで、おぜんざいの間の塩昆布をいただいた時かのような、「口の中リセット」できちゃいましたよ!

あんこなのに、あんこの味でちょっと甘くなった口の中を爽やかにリセットって、すごくないですか??でも、やっぱりあんこなんです、確実にあんこなんですよ。

今まで、抹茶あんはいろいろいただいてきたと思いますが、迷いなくこちらの抹茶あんがナンバー1だと断言できます。これは、本当に素晴らしい逸品です。

抹茶あんの次は、白ごまあんです。

おおおお。これも美味しい!

ゴマをあんこに練りこんでいるのではなく、白あんこの周りに、半分くらい潰した白ごまを付けてるって感じなんですが、このバランスが絶妙なんです。これ以上多いと、ゴマの味だけになっちゃうと思うんですが、白ごまの風味もはっきりしちぇるけど、白あんの風味もちゃんとある、そんなバランスになっています。これは美味しいわ!

そして、最後は、こしあんです。
いやあ、我ながら素晴らしい順番を選びましたよ。自分を褒めてあげたい!

このこしあんがまた、ほんっと~に美味しい!
丁寧に練られてますが、すごく新鮮、と言いましょうか。水分はそれほど多い方ではないと思います。水分というか糖分、か。サラサラとしたこしあんの粒子がするすると口の中でほぐれてなくなります。

ああああ、美味しうございました。
あ、そうだ、あんこの話ばかりしてましたが、中のお餅も、これまた大変おいしいお餅でした~。思い出すだけで涎が…。

大阪に行くときには、ぜひまた行きたいです!
東京にあったら、できる限り通うなあ。お店の雰囲気も本当にすっきりとしていて、気持ちいい。本当に素晴らしいお店でした。

この前に連れて行っていただいたいなば播七さんも江戸の創業でしたが、こちらも江戸時代、1830年ごろの創業だそうですよ。いやはや、やはり上方の懐は深いですねええ。

菊壽堂義信
http://tabelog.com/osaka/A2701/A270102/27014624/

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください