file.74 新正堂の『切腹最中』と『景気上昇最中』

いちにちいちあんこ

新橋で友人と待ち合わせということになった時、「切腹最中買いに行こう!」と思いつきました。

甘いものに詳しい方から以前からお勧めいただいていたのですが、新橋のあまり行かない方向にあるので、なかなか足をのばせずにいたのです。

『切腹最中』という名前がすごいですよね?

なぜこんなネーミング?と思いますが、「忠臣蔵」で有名な浅野内匠頭が切腹した屋敷があった場所にある和菓子屋さんだから、ゆかりのものを作ったということなんだそうです。

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こちらがその新正堂さんです。

新橋駅から7、8分ほどでしょうか。銀座とは逆の方向。

こじんまりとしていて、なんかいいかんじです。テイクアウトのアイスなんかもあって美味しそうでしたよ。

いろいろ悩みましたが、お目当ての切腹最中のほかに「景気上昇最中」というのも買ってみました。サラリーマンの聖地・新橋にふさわしい最中です。

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こちらが念願の『切腹最中』!

パッケージが可愛いですよね。

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全体を覆うのではなく、まるで帯のように白い和紙で真ん中を結んでる。この白い帯が不思議と「武士」って感じ出してますよね。

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いいですね、なんか粋だなあ。

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そして皮からはみ出しそうに詰められたあんこ。おなかからはみ出しちゃってるあんこ、切腹、、、

そう考えると結構えぐいデザインかもな……

いえいえ、そんなこと考えちゃいけません。
anko20140823-6あんこは粒あんで、中に大きな求肥が入っています。

あんこは、……美味しい!

アズキの深い味がとてもよく出てますよ!甘味はそれほど強くないはずなんですが、あんこの深い味が重みとなってずっしりとした感じになっています。

anko20140823-7そしてこちら『景気上昇最中』。

いいですねえ。これはクライアントに手土産でもっていくのにもってこいですよね。

ちなみに、『切腹最中』はR25の、「謝るときにもっていきたい手土産」ランキングで一位に輝いたんだそうですよ。「腹を切ってお詫びします」みたいな感じですか。洒落が利いてていな~w。
anko20140823-8おお、やっぱりというかなんというか、小判型です!
anko20140823-9割ってみると、こちらのあんこはこし餡です。黒糖の風味が利いてますね!
切腹最中のあんことは全く違う方向性のあんこで、いい感じです。種類は同じく最中ですけど、まったく違うお菓子といえるかも。

HPを拝見すると、ちょっと面白い解説があったので転載しますね。

「縁起の良い小判型の最中にこしあんで黒字にちなんで黒糖を使ったコクのあるあんをいれました。黒糖はカルシウムや鉄分などのミネラル、ビタミン類をたっぷり含んだ、栄養価の高い自然食品で、疲れた体と脳に活力を与えます。「景気上昇最中」を食べて、イライラを解消し、集中力をアップさせ、一日も早い景気上昇(回復)をめざして頑張りましょう。」
(新正堂HPより転載)

「イライラを解消し、集中力をアップさせ」なんてのがいいですね~ww。

確かに、この最中を食べて一服するとちょっと余裕を持てるかも。

新正堂さんのお菓子は、どれもとにかくちょっとシャレが利いてる。お店の方も朗らかで優しい感じで、とても気持ちよくお買いものできました。

今度、仕事先にお持たせをすることがあったら、ぜひこちらのお菓子を使ってみたいな。

何かのついでに、ができないのがちょっと大変ですけどね。

新正堂
http://www.shinshodoh.co.jp/index.htm

命の気高さ――保護された犬たちの美しいポートレート集『SHELTER dogs』/トレア・スコット著(山と溪谷社)

昨日、入魂の一冊が無事に予定通り責了できたので、今日はお仕事は休んで部屋の掃除。本棚を整理していましたら、久しぶりにこの本が目にとまりました。

20140816サラリーマン時代に担当した写真集『SHELTER dogs』です。思い出深い大好きな一冊!!

2009年発行なので、もう5年前になりますか~。
月日が経つのは本当に早いですね。

さて、この写真集は、アメリカのシェルター(保護施設)に収容された犬たちのポートレート集です。

著者のトレア・スコットさんはファッション誌出身の写真家。

動物が大好きで、たまたまシェルターを訪れて、多くのシェルタードッグたちと出会います。犬を引き取るだけではなく、ネットや記録に載せるための写真撮影もうけおうようになり、里親に出会って自由になる幸運な子たちだけではなく、次々と安楽死させられてしまう現実を前に、「イヌたちの本当の姿を映すポートレート集を撮ろうと決めた」(P90より引用)といいます。

彼女の言う「本当の姿」とは、哀れな、絶望している姿ではなく、それぞれの犬が本来持っている個性のことで、もっと言えば「魂の輝き」「存在の確かさ」のこと。

「私にとって、これ以上シンプルで本当のポートレート集はない。やることはほとんどない。なぜなら、私の被写体はすでに美しく、生きる力に溢れ、アップ写真がとれる準備ができているのだから」(P90)

実際のところ、彼女の言う通りの素晴らしい写真がずらりと並びます。
気高く美しいイヌが56匹。

もともとこの企画は、愛すべきボス・Kさんの企画で、引き継がせていただいて一緒に作った一冊なのですが、初めてこの写真集(すでにアメリカで出版されたもの)をKさんから見せていただいた時、大袈裟な表現でなく、瞬きをするのも思わず忘れて見入ってしまったことを覚えています。

写真集というのは、商売として考えると大変困難な道なのですが、しかし、これは出さなくてはいけない本だ、と思いました。Kさんもそういう思いで企画を通されたと思います。

とにかく写真が素晴らしい。

この素晴らしさをより魅力的にすべく、日本の印刷技術のお家芸、とでもいうべき素晴らしい表現力で、もっといいものにもっていこう、とKさんと相談。

取り寄せたデータは、印刷された状態から想像していた通り、かなり青い方向に寄っていたし、ものによって方向性にばらつきがあったので、スコット氏の代理者に確認してより温かい色味、美しい毛並みを表現できるように調整させていただくようにしました。

私たちがもっとも気にしたのは、スコット氏のことばにある「憐れみを誘うような」存在なのではなく、見た人が「虐待された生きものたちに美しい魂が宿っていることに気付く」写真である、という点。

寂しそうな、悲しそうな、そういう写真ではないということ、それを表現したいと考えたのですね。

そこで、Kさんだけでなく、大先輩で師匠と仰ぐEさんにみていただきながら、作り上げていきました。

今改めてみてみると、自分で言うのもなんですけど、この写真集、やっぱいい!!

写真やテーマ性がいいのはもういうまでもありませんが、写真集表現としての状態もかなりいい!!
白表現、毛の質感、温かく気高い感じがよく出てます。また黒部分もいい。奥行きのあるいい黒。いうなれば温かい黒です。

KさんとEさんという、偉大な先輩がいっしょにやってくださったからこそ出来たことではありますが、この本にかかわった自分を褒めてあげたくなりましたよ。

最後に、印刷立ち合いをした時のこと。一緒に来てくださったEさんが、ニコッと微笑んで、

「むとうは本当にいい経験をした。こういう写真集をつくれるというのは幸運なことだよ。いつかこの写真集を作ったことを誇りに思うと思うよ」

そう言っておられたのを思い出します。

本当に、おっしゃる通りです。

何度見ても、感動できる写真集にかかわれた私は幸運者だなあ。そしてお仕事振ってくださった元ボスKさん、師匠Eさんに改めて心からの感謝申し上げたいと思います。

本書は、日本の現状もお伝えしたいと思い、短くではありますが、日本の保護施設がどうなっているか、保護された犬や猫はどういうシステムにのせられてしまうのか、そういうことも取材して補足しています。

ぜひ、お手に取ってみてください!

(むとう)

file.73 茜丸本舗の「名入れどらやき」

いちにちいちあんこ

なんとひと月以上あいてしまった~~!!

一日一あんこは、続行しておりますが、アップが間に合わず…。あかんですよね。

反省。

……

さてさて、気をとりなおして、本日のいちあんこでございます。

本日のいちあんこと言っても実はもう二週間ほど前のいちあんこ(正直申告)。実はリアル今日のいちあんこは十万石まんじゅうでございましたが、これはもうご紹介済みですので、良しとして。

20140303さて、こちら、編集をお手伝いさせていただいております畠山健二先生の大ヒットシリーズ第二弾!『おけら長屋(二)』。来月にはお待ちかねの第三巻も発刊されます。今頑張って最後の仕上げに入っておりますよ~!

さて、そんな畠山先生かいただきましたのが、今回ご紹介するどらやきです。

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大阪在住のカリスマ添乗員Hさんが、たくさん送ってくださったとのことで、おすそ分けいただきました。

anko20140802-2わああ、名前が書いてあります!

ネットで調べてみますと、こちらの茜丸本舗さんでは、「名入れ菓子本舗」という事業をされているみたい。
anko20140802-3ほわほわした生地でおいしそう。

どれどれ……

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あれ??

あんこの色が少し淡いですよ?

よく見てみますと、どうもアズキだけじゃない豆が入っているみたい。サイトを調べると茜丸本舗さんの一押し商品が「五色どらやき」で、なんと五種類の豆を使ったあんこなんだそうですよ!
金時豆、うぐいす豆、小豆、虎豆、白小豆の御種類が入ってるんですって。私が食べたものの中ではうぐいす豆は見かけませんでしたが、なんとなく虎豆かな?金時豆かな?というのは発見できました。

アズキだけじゃなくていろんな風味の豆が入ってると、味がぶつかるかなとおもいますが、そんなことはなくちゃんと一つの味になってます。すごく美味しい!さすが大阪!!
サラッと軽い感じでいくらでも食べられちゃう味です。

先生からは9個もいただきましたが、我が家は全員甘党ですので、瞬殺でした。私は二個しか食べてないです…悔しい…

 

茜丸本舗
http://www.akanemaru.co.jp/