世界に二つしかない「双羊尊」が揃い踏み!!~『動物礼讃』展@根津美術館


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今年の根津美術館のスタートは「動物礼讃」展。でした。なぜ過去形かと申しますと、先週で会期が終了してしまったからなのですね~^^;。

え~!行ってみたかったのに!という方はすみません。

お知らせするのがだいぶ遅くなってしまいまして…。

実は私事ですが、2月はものすごくドタバタなスケジュールだったのですが、どうしてもこの展覧会は行きたくて、かなり強引にスケジュールに入れこみました。

と申しますのもですね。

根津美術館のシンボルともいうべき「双羊尊」の、世界で唯一同じような「尊」である大英博物館所蔵の尊が、並べて展示される、と言う奇跡のような展覧会だったからなのです!!

実は、私、古代中国の青銅器大好きでして。

幸いなことに、日本は世界でも有数の中国古代青銅器コレクションがあります。奈良博の坂本コレクション、泉屋博古館の住友コレクションなど、数・質ともにものすごいクオリティだと思うのですけど、も。

私も、たいがいマニアックな趣味と言われるのですが、石造物にしても、仏像にしても、けっこう同好の士は多くいるもので、一緒に観に行ったり、語り合ったりできるのですけど、なぜかこの青銅器だけは、語り合える友に未だ出会えておりません。

なぜなんだ…

でも、いいんです。一人でも好きなものは好きなんです!

さて、そんな愚痴はさておきまして、中国古代の青銅器についてものすごくざっくりご説明しますと、殷の時代(紀元前17世紀ぐらい)から、祭祀や儀礼専用の器材として多く作られました。ちなみにこの「尊」というのは、今風に言えば、お酒を入れる壺のことです。

中国古代の青銅器の魅力は、(細かい理由は大きく省きましてざっくり申し上げますが)なんといってものそデザインだと思います。

蝙蝠、羊、フクロウ、といった実在の動物をデフォルメし神の如くになったものや、想像上の神獣である「饕餮(トウテツ)」を文様化したものなど、動物たちが色濃く登場します。

私個人としまして、青銅器づくりの神業的な技術力にも瞠目しますが、やはり何と言ってもこのおそろしくもかわいらしいデザインに魅了されてしまった、と思います。動物好きにはたまらん!と思うのですけども。

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上の写真は、図録からの転載になりますが、ちょっとご覧ください。左側が、大英博物館所蔵で、右側が根津美術館所蔵のものです。

驚くほど、構成要素は似ています。しかし、何かが決定的に違うように思います。

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文様の違い、足の間の飾りのあるなしなども違いますが、すごくわかりやすいのはこの顔の表情かもしれません。

大英博物館のほうがよりリアルな感じで、生きものに近い、根津美術館のほうはより洗練されて柔らかで、デフォルメが進んでいます。

いうなれば。

万葉集と古今和歌集、ほどの違いがある……。

いや、もっとわかりやすく言うと、土門拳さんと入江泰吉さんの写真程に違いがある……。

そんな感じ?がしますね(あれ、なんか遠ざかってる??。

どちらも好み次第とは思いますが、根津美術館の所蔵の右側のほうは、なんとなくなるほどな、と思います。お茶人は間違いなく右と左がありましたら、右を選ぶんじゃないかな。お茶人、というよりも日本人、といったほうがこの場合は正しいかもしれませんが。

さて、この二つ、ではどういう関係性にあったかというと、よくわからない、というのが研究者の答えのようです。

ただ、作られた場所はおおよそ同じ地域(おそらく湖南省)で、作られた時期もだいたい紀元前13世紀から11世紀ぐらい、ただし大英博物館所蔵のもののほうが、すこしだけ古いだろう、と考えられているとのことでした。

なんと言っても、今から3000年ほど昔の話ですから。そりゃ、よくわからないですよね。しょうがないしょうがない。

でも、本当にこれぞ、ロマンですね!まさに眼福でした。

根津美術館
http://www.nezu-muse.or.jp/

【仏勉】仏画・曼荼羅の世界を楽しみたい



仏像は好きだけど仏画はちょっと苦手、と思ってました

仏像は大好きでよく観仏に出かけておりますが、平面的な方向は大変弱いのですね。

よく考えたら、これって不思議なことですね。普段でしたら絵も大好きですからよく観に行きますし、自分でも下手な絵をよく書いています。…それなのに、仏教に限っては、絵画が苦手、とは。これいかに。

実は、これには理由があるんです。

まず理由の第一は、「すごく難しい感じがするので苦手」。特に「曼荼羅」となると、複雑すぎます。ざっくり金剛界・胎蔵界の二つの世界を表わす曼荼羅がある、ということぐらいしか知りません。

そして第二の理由は、これまでいいものに出会ってこなかった。ということだったみたいなのです。すごくシンプルな理由。

このことに気が付いたのは、昨年開催された『ボストン美術館 日本美術の至宝』展でのこと。さすが、フェノロサ、ビゲロー、岡倉天心が買い集めただけあって、ま~筋のいいものばかり!
私のような素人にもそのクオリティの高さには、驚愕させられました。特に、仏画のクオリティは思わず声をあげてしまうほど。

「あああ、ここまでふりきってたら私にもわかります~~!」

と心の中で叫びました。

つまり、たいしていい眼は持ってないですけども、振り切って素晴らしいものというのはわかります。2位、3位、4位の差はわからないけど、1位はわかる、みたいな。そんなかんじ。

難しくてもわからなくても、「自分が好きなもの」ができたらこっちのもの
特に『法華堂根本曼荼羅図』(奈良時代)なんてもう!!
これは、東大寺の法華堂(三月堂)に伝わったものだそうで、日本にあったら間違いなく国宝ですよ。お釈迦さんが法華経を説くシーンを描いたもので、こういうものも「曼荼羅」とよびんですね。

法華堂根本曼荼羅図@ボストン美術館像

(『ボストン美術館 日本美術の至宝』展図録P54より引用)

夢見るように美しいお釈迦さんと脇侍の菩薩さんとそのほか諸尊の皆さん。素晴らしいです。

私はこの仏画をはじめ、ボストン美術館所蔵のあまりに素晴らしい仏画群を見てはっきり認識しました。「仏画ってわからない」じゃなくて単に「素晴らしい仏画に出会えてなかったけ」だってこと。

私がふだんから金科玉条?のごとくおもっている「わからなくても何でも、圧倒的にいいもんはわかる!』法則は、やはり有効なのですよ。

こういう体験があると、ちょっとしたフックが自分の中でできてくるので、仏画を見ることが自分にとって意味のあることになっていきます。

このフックというのは、この場合、
「自分にとってすごく好きだと思った『法華堂根本曼荼羅図』」が、自分の好みの核になった」ということを意味しています。これができますと、その定点をもっていろいろものを見られるようになるので、すごく世界が広がるのです。

さて、そんなわけで、根津美術館で開催中の「曼荼羅展」、そんな自分を試す意味も込みでとても楽しみにしておりました。

私のフックは有効なのか??
そして、私にとって仏画はいまだ「難しいもの」の域を出ないのか?

わからないまでも、楽しみたい、これが私の小さな野望だったのです。

(続く)