家康って半端ない苦労人なのねえ、と気づいたあなた。そんな家康の家臣の皆さんはもっと苦労人、かもですよ!?あるじシリーズ最終巻『あるじは家康』、刊行!/岩井三四二著


第一弾は『あるじは信長』、第二弾は『あるじは秀吉』と……続いてきました岩井先生の「あるじシリーズ」。

第三弾は、もう言わずもがなですよね。

そうです、『あるじは家康』、です!
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家康と言えば、「ザ・苦労人」ですよね。

三歳、物心つくかつかないかで実のお母さんは政治的理由で離縁されて離れ離れになっちゃうし。
6歳で宗主である今川家に人質に出されるかと思ったら、途中で誘拐されて敵対していた織田家の人質になっちゃうし。
8歳の時にはお父さんが家臣に殺されちゃうし、いや、もっとさかのぼればお祖父さんも家臣に殺されちゃってるし。

ふわああ、なんですかこのすさまじいまでの、不幸の連続。

子ども時代からこんな過酷な出来事を乗り越え、生き抜いたからこそ、天下人になったのかな~、家康、本当にすごい、とみなさんも思われると思います。

が。

そこでみなさんに気づいてほしい。

この過酷な条件で生き抜いたのは家康さんだけじゃないということを。
こんな天中殺ばっかり押し寄せてきてるような、相当に不運な主君に仕えた「家臣のみなさん」がいたということを!!!

『あるじシリーズ』は、「家臣」が主役の短編連作集です。『あるじは家康』にも、嵐のような災難の中をどうにか生き抜いて、最終的に天下をとった偉人・家康に仕えた皆さんの悲喜こもごもが描かれています。

前二作に比べて、大久保忠隣、石川和正、茶屋四郎次郎、ウィリアム・アダムスといったいわゆる有名人が多いですけど、そこはさすがの岩井先生。ならではのユーモアと新しい解釈とでぐいぐいと引き込んでくださいます!
家康マニアの方にも、家康を全く知らないという方にも、ぜひ手に取ってみていただきたい、愉しい連作小説集だとおもいます。
20140710-2そして、ぜひぜひおすすめしたいのが、この三冊・一気読みでございますよ~!

並べてみましたがいかがでしょう?
O編集長、渾身のコピーがさらに効いてきますね~!

ぜひお手に取ってみてくださいね!

(むとう)

 

 

戦国時代のあの三人を上司にしたらどうなる?「あるじ」シリーズ第二弾登場!『あるじは秀吉』/岩井三四二著


3月から文庫化されて大好評の「あるじシリーズ」第二弾がいよいよ登場しました!第一弾は信長、…とくればもちろん第二弾は【秀吉】ですね!

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秀吉、と言えば、日本史上最も出世した人物と言っていいでしょう。

後付けで自分の家柄をいろいろ飾り立てようとしてますけど、彼の生まれが庶民であったことは皆さん異論はないのではないでしょうか。

庶民、と言ってもかなり貧しい部類。裕福なところから出世したのではなく、本当にゼロベース、いえ、ひょっとしたらマイナスベースからスタートした人です。

本書の帯にもありますがまさに「出世しすぎ」たひと。今後もここまですごい人はなかなか出てこないんじゃないでしょうか。

さて、本書はちょっと凝った趣向になっておりまして、1617年、二代将軍・徳川秀忠にお伽衆・山名禅高(やまなぜんこう)が、秀吉について「七不思議」と自ら名付けて呼んでいる逸話を披露する、という体裁になっています。
どういう出自なのか、なぜあれだけ出世できたのか、家来をどうやって育てたか、中国大返し、唐入りについてなど、それぞれを、秀吉近くに仕えた人から聞いた話として、秀忠に語るという趣向です。
岩井先生らしい、おもわず「くすっ」と笑ってしまうようなそんなお話に仕上がっているんですが、よくよく考えてみたら、もし自分がその家臣の身になったら、こんな上司はたまらんわあ、と少しぞぞっとしてしまいました。

それにしても、出世しすぎる人に仕える、というのも部下にとっても相当に大変なことですよね。本書の帯「出世しすぎる上司、右往左往の部下」とありますが、まさにしかり。

ぜひお手に取ってみてくださいね!

(むとう)

戦国時代のあの三人を描く「あるじ」シリーズ第一弾!『あるじは信長』/岩井三四二著


歴史上の人物で人気ランキングを作れば必ず上位に上がってくるであろう「織田信長」。ですけども。

皆さん、織田信長ってどう思われますか?

彼がやってきたことを見ていきますと、正直言ってなんだってこんなに人気あるんだろう、って思ってしまうようなほんとうに難しい人物です。でもこういう苛烈な人物像というのは、やっぱり表現者の方々の創作意欲を書きたてるんでしょうね。それこそありとあらゆる「信長像」が創作されてきました。悪の権化だったり、悲しみを抱えて傷つきやすい青年だったり、マザコンだったり、実は女性だったり、両性具有者だったり。

ほかの人物でここまで様々なイメージで描かれた人物はまずいないんじゃないでしょうか。そう考えますと、やはり、魅力的な人物なんだと言わざるを得ないですね。

ただ、どの作品にも共通して描かれているのは、信長に振り回される家臣たちの姿かもしれません。実際、こんな人物が上司だなんてたまらないですよね。
本当に大変だと思いますよ!
とにかく絶対的な成果主義。心の休まる暇もなさそう……。
個人的には 「上司にしたくない歴史上人物ナンバー1」なんじゃないかと思いますけど、いかがでしょうか。

さて、前置きが長くなってしまいました。今回文庫化のお手伝いをさせていただきましたのが、そんな家臣たちを主役にした岩井三四二先生の『あるじは信長』です!
20140425様々な立場の家臣たちが、それぞれ主役として登場する短編集です。

さすが岩井先生、と言ったセレクションなのですが、武将はもちろん、ほかにもいろいろな職種の人物が登場します。例えば、現在の書記官のような職業「右筆(ゆうひつ)」。お茶道や有識故実に詳しくその面で使える「同朋衆(どうぼうしゅう)」。相撲とりとして身辺警護も務める「御小人(おこびと)」などなど。

それぞれの立場・身分から、「信長」に仕える8人の人物たちが登場し、かれらを通して「信長」という人物像・有名な事件が描かれる…、という趣向です。

岩井先生ならではの、軽妙で明るいタッチでちょっと「とほほ」な雰囲気が何とも言えない連作短編集になっています。ですので、とても気軽に手に取っていただける読後感なのですが、実は、史料を読み込むのが大好きだという岩井先生でなければなかなか描けないような、相当な歴史的情報もしっかり組み込まれたお話なのです。信長には詳しい、という方にもぜひおすすめです。ちょっと違って側面から「信長」を見ることができるんじゃないかと思います。

そして本作は『あるじシリーズ』第一弾でして、第二弾は『あるじは秀吉』、第三弾は『あるじは家康』となっております。

「あるじ」はだれがいいか、…そんなことを考えながらそれぞれお読みいただくのもすごくお勧めと思います!

ぜひお手に取ってみてください!