file.111 津村屋の「くるみもち」


いちにちいちあんこ

編集のお手伝いをさせていただいた愛犬と「幸せ家族」になる方法 (PHP文庫)の著者、安藤しぇんしぇいが、関係者を招き、豪華中華料理店にて感謝会を開いてくださいました。
さらにさらに、大阪からはY姐さんも参戦!
しぇんしぇいと、みなさんの愛に溢れた、楽しい会になりました。いやあ、楽しゅうございました!安藤さん、本当にご馳走様でした~!!

さてさて、Y姐さんはいつも美味しいあんこものをお土産にくださるんですが、今回もお忙しい中もってきてくださいました!
何でも、安藤さんと姐さん共通のお友達のお店の名物とのこと。大坂産の食材を使った加工品を、大阪の名産と認められるものに「大阪産(もん)名品」と名付けて振興してるそうなんですが、こちらのお店は「大阪産(もん)五つの星大賞」を受賞されてるそうですよ。

それがこちら~!津村屋さんの「くるみもち」!
20151218-1「賞味期限、明日までだからね~」と姐さん。
お任せください!武藤家では瞬殺ですよ!

20151218-2

あけてみましたら、こんな感じです。
見るからにホワホワ!
20151218+-4粒粒がクルミですね。
それにしても、お餅の色がちょっと普通のお餅と違います。すごく白い。

20151218-5中のあんこはこんな感じ。
粒あんですね。

さっそくいただいてみると……あ。これ、メレンゲ入ってる???
ラベルを見ましたら「卵白」とあります。間違いない、これお餅にメレンゲ入ってる!
だからこんなにフワフワホワホワなんだ~!

あんこは、すっきりふっくらと炊かれています。ど真ん中なお味です。そこにこのお餅のフワフワ、クルミのクリスピーさが時々入ってきます。食感がすごく面白い!
食感とお味を楽しんでいたら、あっという間に一個置食べ終わってしまいました。これは癖になる美味しさです!

これは、お持たせにしたら最高だなあ。自分でいただくのはもちろんのこと、甘いもの好きの人にこれを差し入れたら、本当に喜びますね!

Y姐さん、いつも美味しいあんこもの、ありがとう~~♪♪!!

津村屋
http://www.osakamon.jp/kurumimochi/

愛犬との生活は悲喜こもごも。本当の「人生の豊かさ」って!?『愛犬と「幸せ家族」になる方法』/安藤一夫著(PHP文庫)


犬の気持ちをちゃんと受け取り、人の思いをちゃんと伝えるために
思いを込めて編集を お手伝いさせていただいておりました『愛犬と「幸せ家族」になる方法』という一冊が、いよいよ本日発売になりましたのでご報告させてください!

著者の安藤一夫さんにとって、本書は処女作。

安藤さんのプロとしての的確なアドバイスはもちろんのこと、そのお人柄のチャーミングさ、そして愛情深さをできるだけ率直に読者の方に体感いただけるように出来たらいいな…と願いながらお手伝いさせていただきました。

安藤さんは、大阪は豊中市でドッグサロンを経営されてる「犬のプロフェッショナル」。そして、ご自身も三匹のわんちゃんの飼い主さんでもあられます。
だからこそ、犬の気持ち、飼い主の気持ち、両方がとてもよくわかっておられるし、「意外と勘違いしてること多いねんで」とおっしゃいます。

「犬の気持ちをちゃんと受け取れるように、飼い主さんの言いたいことも、ちゃんと犬たちに伝えられるようにできたらええなあ」
最初の打ち合わせの際、安藤さんはそんな思いを話してくださいました。

「そばで見てると、ようわかんねん。本人たちが幸せならもう何もいうことないんやで、もうそれでええやん。せやけど、ちょっとしたことでもっともっとお互い楽になって幸せになれる、思て…」

大好きだからこそやってしまう「読み違い」「勘違い」。
ある、あるなあ、ありますよね!?
これって実は、犬と人の間だけで起こることでもないですよ。人と人の間でも「読み違い」は起こります。こんな読み違いは、長年連れ添った夫と妻の間にも、あったりしますよね。

安藤さんは、時に人間同士の例を巧みに上げつつ、犬の気持ちが本当はどうなのか、飼い主の思いはどう伝わっているのか、を笑いたっぷりに解き明かしてくださいます。

20151104-1

面白い。でも涙が止まらない!
そして、本書の真骨頂は、思いもよらぬ部分で現れました。
安藤さんは、関東生まれの私などからしたら「笑いのエリート」。大阪の笑いとはここまで計算されたものなのか!?すごすぎる!…と思っていたので、本書の個性は、「犬のことをちゃんと学んでいけるのに、大笑いしながら読めてしまう」という点じゃないか、と思っていたのです。

ところがところが…

PART5で、「老犬介護」についてぜひ書いてください、とお願いしていたのですが、それまですらすらと書き進めてくださっていた、筆が止まってしまいました。

「ごめん、武藤さん。書かれへん。考えるだけで辛い」

安藤さんは、身体の大きな、いかにも男性らしい方なんですが、同時にとても情にあつくて涙もろい、優しい方なんです。
私たちがそんな風にお願いしたとしても、犬のケアのプロフェッショナルとして感情を切り離して言葉は悪いですが無難にさらっと書くこともできたはずです。でも、そんなこと、安藤さんにはできないのです。その気持ちが、すごくよく伝わってきました。
だけど私も編集長も、だからこそ書いてほしいとお願いしました。「そのつらい思いは、全飼い主さん共通の思い。それは絶対に読者の皆さんの心に響く」。そう感じたからなのです。

辛いとおっしゃる著者に、私たちも酷なことをお願いしていました。でも、安藤さんはまさに身を絞るようにしてPART5を書き上げてくださいました。そしてできあがったPART5は、簡潔ながらもぐっと心をつかまれる、本当に素晴らしい章になったと思います。

そして、ダメ押しはエピローグ、そしてあとがきです。

安藤さんは、「エピローグ お別れの時」で、突然逝ってしまった愛犬しじみちゃんのお話を書いてくださいました。その時の恐怖感、絶望感。もっと何かしてあげられたんじゃないか……、という後悔の念。
その大きな悲しみは、犬を同じように失ったことのある私、さらには犬を飼ったことがないという編集長の心をも激しく揺さぶりました。

一応、私たちは「読む」プロです。ですから、もう少ししっかりと、冷静になって読まなくちゃ、と思うんですけど、どうしても、何度読んでも涙が湧いてきてしまうのです。

「何度読んでも、涙が出ちゃうよ~」

N編集長がそうおっしゃっていたのが、本当に印象的。そして、それを聞きながら私までもらい泣き、さらに安藤さんにお伝えしながら二人で大泣き……なんなんでしょうか。これは!??

私は本書を担当させていただいて、犬たちだけでなく多くの方々と、心を込めて関わっておられる安藤さんの「豊かな人生」を感じました。

愛犬との生活は悲喜こもごも。一緒にいる喜び、いなくなってしまったことへの悲しみ。
豊かな人生とは、そんなたくさんの思いをたくさん経験していくことなんじゃないか、そう思いました。そしてともに味わう存在がいるとなお深いんだなあと。その存在というのは、犬でも人でも同じことですね。

ぜひ、皆さんにもお読みいただき、そんなことも考えてみてくださったらうれしいなあ、と切に思います。
ぜひぜひ、お手にとってみてくださいまし!

(むとう)

 

file.98 たねやの「とらやき」と「どらやき」二種


いちにちいちあんこ

畠山健二先生の人気時代小説シリーズ『本所おけら長屋』の編集をお手伝いさせていただいておりますが、本シリーズをお手伝いさせていただくなかで、たくさんのご縁を畠山先生につないでいただきました。

畠山先生は、人情に溢れたお作そのままのお方。
そんな先生の周りには、これまた素晴らしい方たちが集まってきています。

そんなご縁で知り合ったのが、大阪在住のY姐さん。お仕事でお江戸にいらっしゃるとのことで、夕ご飯をご一緒しました。
残念ながら先生は関西のほうでラジオの収録。珍しく女二人の飲み会、……つまりこれは「女子会」ってやつではないでしょうか!?うふ。
そんなわけで、居酒屋ではなく、カジュアルなフレンチをいただくことにしました。

「武藤さん、あんこ好きだから、はいこれお土産」

大阪限定のんも入ってるで~、と渡してくださったのは、近江八幡の名店・たねやさんの包み!!

やった~~!
ありがとうございます~~~!!!

楽しい時間はあっという間に過ぎ去り、デザートまでたっぷりいただいて、その翌日。

家族全員あんこ好きな武藤家のおやつに早速お土産いただきました♪

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きれいなお包みを開くと出てきたのはこちら!
写真だとちょっと色味が悪くなってしまってますが、すごくきれいな黄色でのパッケージ。たねやさんの包みって、ほんとセンスいいなあ。

蓋を開くと、おおお!どら焼き~!!

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どら焼きが三種類!
左上が、阪神百貨店限定の「とら焼き」で、限定ものなんだそうですよ~!
20150904-3というわけで、まずはその限定「とら焼き」から。
さすが阪神、「とら」焼きですよ♪

20150904-4持ってみると、記事はしっとりとしてものすごく柔らかいです。
これは美味しそうだわ~!

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そしてなかはこんな感じです。
あんこはしっとりとしていて瑞々しい!甘味は適度で、記事のしっとりとでも軽い感じと絶妙なバランス!これは美味しい!
20150904-6さて、残りの二種。
こう見るとまったく同じように見えるかもしれませんが……

20150904-7どら焼きとしてはとても珍しい白あんと、スタンダードな粒あんです!
こちらも美味しい!

でも、ちょっと不思議なんですが、「とら焼き」の粒あんが特に美味しい気がしたんですね。

ちがう炊き方をしてるんでしょうか。ひょっとしたら生地の柔らかさとのバランスかもしれませんが、三種の中では「とら焼き」は特に美味しかったです♪♪

これは大阪に入ったらぜひまた手に入れたい!…ところですが、なかなか阪神百貨店には行けないかな??

Y姐さん、ご馳走様でした!
美味しかったです!!

たねや
http://taneya.jp/home/index.html

 

 

 

file.89  喜八洲総本舗の「きんつば」


いちにちいちあんこ

大阪には美味しいものが多すぎて困ります。そして、大阪の方にはグルメが多いように思います。さすが「食の都」ですね。

そしてもちろん、あんこものも、さすが大阪です。

Aさんがご馳走してくださった、北新地に夜遅くまで開いている老舗のお餅やさん(この呼び方も上方っぽいですよね)いなば播七さんのおはぎは絶品でした。そして、Aさんに連れて行っていただいた、北浜の菊壽堂義信さんの高麗餅も絶品でした。

そして〆は、Y姐さんがお土産にと持たせてくださった喜八洲さんの「きんつば」!!

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大阪に行く前に、美味しい和菓子屋さんはどこかな~と調べたりしていた時に、確かに目にしたことのあるこの名前。

さすが姐さん!Aさん同様グルメです~!

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なんだかもう、包装もかっこいい。

「必要なものだけちゃんとある」というデザイン。この空気感は、なるほど、「きんつば」というシンプル直球型和菓子を表現するには最適というか…

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そしてこちらが「きんつば」!

写真だといまいち大きさが伝わらないかもしれませんが、ものすごく大きいです。関東でお目にかかるきんつばの約倍くらいのボリュームがあると思います!

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サイトを拝見しますと、こちらの小豆は北海道十勝産。大粒の小豆をしっかりと炊いて良質の砂糖で甘さは控えめに。確かに、ボリュームはしっかりとありますが、食べ始めてみますとあっさり一個いただけちゃいました。

それにしましても、こちらのきんつばをいただいていて、また今回いただいた大阪の老舗二店の名物二品をいただいてみて、あんこや和菓子の世界にははっきりと、「大阪らしさ」というものがある、と感じました。

伝統的な料理はもちろんですが、その土地の人が長らく愛してきたお菓子、または日本酒といったものには、その土地の風土・美意識が込められて居ると思います。私のような一見のお客にとっては、その土地の文化を感じるのにとても分かりやすく、ありがたいものです。

今回も、三つの大坂を代表する老舗のお味をいただくことで、その一端に触れることが出来たように思います。

大阪のあんこは、丁寧に手間をかけて造られていますが、それをあえて分からないように作っているような、そんな気がします。すごいんですよ、貴重なんですよ、心して食べなさい、というよりも、「たくさん食べてな、おいしいやろ?」「わーありがと~!めっちゃおいしい~!」なんてはしゃぎながらいただけるような、そんなかんじ。

入口はものすごくフランクでフレンドリー、でも、その気安さの向こうには非常に硬質な美意識のかたまりを感じます。なにしろ大阪は京都以上に古い土地ですからね…。

いやあ、ほんともう、大阪大好きになっちゃいました。

Aさん、Y姐さん、本当にありがとうございました!
またよろしくお願いします~♥。

喜八洲総本舗

http://www.kiyasu.jp/index.html

file.88  菊壽堂義信の「高麗餅」


いちにちいちあんこAさんとご一緒して大阪を廻ってみよう、となったとき、Aさんから「どこか行きたいところはある?」と訪ねられて、まず最初に頭に浮かびましたのが「北浜というところにある菊壽堂さん」でした。

『あんこの本』(姜尚美著・京阪神エルマガジン社)を読んでいた時に、こちらの「高麗餅」を紹介している記事を拝見し、その美しさ、佇まいにズキュンとやられてしまい、心にへばりついてしまっていたのでした。

さて、そうしてAさんの車でやってきましたよ~!
まったく土地勘ありませんが、この北浜というところは東京で言うと虎の門とか霞が関みたいな感じなんでしょうか。官公庁があったりするような場所みたいですね。

周囲は、いかにも立派なビルが立ち並んでますが、その一角に古い日本家屋が何件かあるエリアがポツンとありまして。
しかもその中に、上品に佇んでいるお店なもんで、何度も前を通り過ぎちゃいましたよ。店先のお写真、撮ったつもりだったんですけど、Aさんに取ってもらったこれしかなかった^^;。

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ちょっとわかりにくいかな~。

でも、店先からして清げで何とも言えない佇まい。これは間違いなく美味しいお店だあ!と一人興奮するわたくし!

早速、お店に入るや、おもむろに「高麗餅」を注文。Aさんはおぜんざい、Aさんの奥さまは私と同じ高麗餅をオーダー。

そしてそして……

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これですよ、これこれ~~!

これが心に張り付いていた、憧れの「高麗餅」です~!!!!
一目瞭然ですけども、五種類のあんこが一皿で楽しめちゃいますよ~!

『あんこの本』の記事によりますと、「にぎり寿司と同じで、できればその場で食べてもらいたい」(17代目ご主人談)とのことなんですが、まさに握り寿司のようなたたずまい。この美しい山型は握った時のかたちですよね。
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さてさて。どれから頂こうかな~と、ちょっと悩みましたが…、
まずは、と粒あんからパクリ。わああ、なんて上品な甘さ!皮が柔らかい!粒あんならではのコクがたまりませんよ!
次は白あんをパクリ。おおおお、白あん、これこそ私が考える上方の白あんですよ。しかも何となく京都の白あんとは違いますよ。なんて言ったらいいのかな、男っぽいさっぱりした白あんって感じです。美味しいわあ。

そして、見るからに抹茶が濃そうな抹茶あんをちょっとだけ舐めてみましたら…

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うわっ。
抹茶が濃い~!!
美味しい~~!!!

この抹茶あんをいただきましたら、まるで、おぜんざいの間の塩昆布をいただいた時かのような、「口の中リセット」できちゃいましたよ!

あんこなのに、あんこの味でちょっと甘くなった口の中を爽やかにリセットって、すごくないですか??でも、やっぱりあんこなんです、確実にあんこなんですよ。

今まで、抹茶あんはいろいろいただいてきたと思いますが、迷いなくこちらの抹茶あんがナンバー1だと断言できます。これは、本当に素晴らしい逸品です。

抹茶あんの次は、白ごまあんです。

おおおお。これも美味しい!

ゴマをあんこに練りこんでいるのではなく、白あんこの周りに、半分くらい潰した白ごまを付けてるって感じなんですが、このバランスが絶妙なんです。これ以上多いと、ゴマの味だけになっちゃうと思うんですが、白ごまの風味もはっきりしちぇるけど、白あんの風味もちゃんとある、そんなバランスになっています。これは美味しいわ!

そして、最後は、こしあんです。
いやあ、我ながら素晴らしい順番を選びましたよ。自分を褒めてあげたい!

このこしあんがまた、ほんっと~に美味しい!
丁寧に練られてますが、すごく新鮮、と言いましょうか。水分はそれほど多い方ではないと思います。水分というか糖分、か。サラサラとしたこしあんの粒子がするすると口の中でほぐれてなくなります。

ああああ、美味しうございました。
あ、そうだ、あんこの話ばかりしてましたが、中のお餅も、これまた大変おいしいお餅でした~。思い出すだけで涎が…。

大阪に行くときには、ぜひまた行きたいです!
東京にあったら、できる限り通うなあ。お店の雰囲気も本当にすっきりとしていて、気持ちいい。本当に素晴らしいお店でした。

この前に連れて行っていただいたいなば播七さんも江戸の創業でしたが、こちらも江戸時代、1830年ごろの創業だそうですよ。いやはや、やはり上方の懐は深いですねええ。

菊壽堂義信
http://tabelog.com/osaka/A2701/A270102/27014624/

file.87 いなば播七の「おはぎ」


いちにちいちあんこ

関西のあんこもまた、本当に美味しい。

というか、正直、どこの地方でも、土地の方がていねいに作ったあんこは、間違いなく美味しいんですけどね!!

でも、あえて言うなら、プロフェッショナルな味がする、というかんじ、かなあ。都会の洗練さと申しますか…。

お江戸のあんこも、やはり都会の洗練さというのもありますし、もちろん美味しいですけど、なんと申しましょうか、……方向性がそれぞれちょっと違う。

これまた、京都と大阪もまた、それぞれ違う…。

全体的に、お料理なんかいただいてても、大阪と京都は違うなあ、という印象はありましたけれども、やはりあんこも同様に、やはり違うなあ、と思いましたですよ。

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3月9日に大阪にお邪魔しまして、いつも大変お世話になっておりますH山先生の親友Aさん、そしてY姐さん、サプライズゲストN編集長と合流。
めちゃくちゃ美味しいお寿司屋さんに連れて行っていただき、おなか一杯美味しいおすしをいただきました。

新幹線の最終で東京にもどるというN編集長を見送ると、

「もうちょっと飲んできましょ、それからむとうさんの好きなあんこもまだやし!」

とAさん満面の笑み。

しかし、この時点でも9時ごろ。東京だと和菓子屋さんはもうしまってる時間です。和菓子屋さんて店仕舞い早いですもんね。

でも、さすがAさん。さささ、とお目当ての和菓子屋さんに入り、ささささとおはぎを箱買い。

「ほな、いきましょか」

またさささささ、と軽快にとあるビルのエレベーターへ…。私はひたすらさささささについていくばかりですが、おはぎ持ち込めるお店なんてあるんでしょうか。

エレベーターが開くなり、わあ、なんておしゃれなバー!

Aさんがおっしゃるには、行きつけのバーなので、お願いすれば持ち込んでも大丈夫、とのこと。ひゃ~、それにしても、バーにおはぎ持ち込みなんて新鮮過ぎませんか?!

でも、若くてかっこいいマスター、ふんわりと微笑みつつ快諾。うわあ、すみません!!

20150325-2早速箱を開けて、きれいなお皿におはぎを3つ乗っけてくださいました。

まあ!!!
なんてきれいなおはぎなんでしょう!

粒あん、こしあん、きな粉。

大きさはそれほど大きくありませんが、しかし、おすしでパンパンなお腹に、10時近くのこの段階で、この3つちゃんと食べきれるのか!?>私!
視覚的にはものすごく食べたい、ワホワホいきたい。
しかし、胃袋的にはほとんど余裕はない、大丈夫か?私?
とひたすらおはぎを見つめ続ける私をよそに、Aさんが、ささささささとマスターに、

「むとうさん、お酒あんまのまへんから、フルーツで軽いのでも作ってもらえる?」

なんてかっこよくオーダーしてくださってますよ。
え!でもおはぎにカクテルって!?
和菓子にお酒って、あうのかな、どうなのかな。

キョロキョロする私。明らかに挙動不審です。

そんな落ち着きのない私とは対照的に、流れるような美しい所作でささっとマスターが作ってくださったのがこちら…

20150325-3フレッシュなイチゴと紅茶のリキュールのカクテルでございます~!!
ひゃあああ!なんてきれいなの~!!

さっそくいただくと、新鮮なイチゴの甘さ、匂いがふわーっと広がりますが、抜けるときに紅茶のきりっと爽やかなテイストがある感じで、ものすごく美味しい。

そして、おもむろに……

20150325-4

こしあんのおはぎからいただきました!

うわああ、美味しい~~!

あんこがものすごく上品!!甘さはごくごく控えめです。こしあんらしい食感、アズキの風味がものすごくたってる感じ。そしてここにカクテルをキューっといいただくと…。

合う!

ものすごく合います!

よく考えてみたら、イチゴとあんこって、相性いいですものね。言ってみたらイチゴ大福みたいな感じです。でも、ちょっとお酒が利いているので、体験したことのない余韻みたいなものが漂います。

大人だ!

興奮してそんなことを喋りまくりながら、おはぎをどんどんいただいちゃう私。カクテルもごくごく。もっとゆっくり飲みなさい、と心の中で良識ある私が私を窘めますが、美味しくてくちが止まりません。

その後に、さらに出してくださったカクテル第二弾は…

20150325-6

アレキサンドリアというブドウを使ったカクテル。さわやかなブドウの甘さと、仄かな苦みがたまらなく美味しい!

これまたおはぎに合います~~~~!

この苦みがまたニクイ。あんこと一緒にいただくと、コクが増すと申しますか。いやあ、それにしても和菓子とお酒っていうのもこんなにも美味しくいただけるものなんですね。

本当にびっくりしてしまいました!

帰宅しましてから調べてみましたら、こちらのおはぎ、「いなば播七」さんという餅屋さんのおはぎでして、なんとこのお店、1781年創業の老舗なんだそうですよ!
そして、夜22時まで開店してるみたい。すごいなあ。
こちらは「ジャンボおはぎ」というのが名物みたいですね。一キロくらいの大きなおはぎだそうです。

それにしても、Aさん、本当に美味しいお店、そして大人なおもてなししていただきまして、本当にありがとうございました。Y姐さんもお付き合いいただきまして、本当にありがとうございました。

また、マスター、本当に美味しかったです!ありがとうございました!近かったら通いたいです~!

大阪サイコ―ですっ!

いなば播七
http://www.rurubu.com/sight/detail.aspx?BookID=A4001100

file.73 茜丸本舗の「名入れどらやき」


いちにちいちあんこ

なんとひと月以上あいてしまった~~!!

一日一あんこは、続行しておりますが、アップが間に合わず…。あかんですよね。

反省。

……

さてさて、気をとりなおして、本日のいちあんこでございます。

本日のいちあんこと言っても実はもう二週間ほど前のいちあんこ(正直申告)。実はリアル今日のいちあんこは十万石まんじゅうでございましたが、これはもうご紹介済みですので、良しとして。

20140303さて、こちら、編集をお手伝いさせていただいております畠山健二先生の大ヒットシリーズ第二弾!『おけら長屋(二)』。来月にはお待ちかねの第三巻も発刊されます。今頑張って最後の仕上げに入っておりますよ~!

さて、そんな畠山先生かいただきましたのが、今回ご紹介するどらやきです。

anko20140802-1

大阪在住のカリスマ添乗員Hさんが、たくさん送ってくださったとのことで、おすそ分けいただきました。

anko20140802-2わああ、名前が書いてあります!

ネットで調べてみますと、こちらの茜丸本舗さんでは、「名入れ菓子本舗」という事業をされているみたい。
anko20140802-3ほわほわした生地でおいしそう。

どれどれ……

anko20140802-4

あれ??

あんこの色が少し淡いですよ?

よく見てみますと、どうもアズキだけじゃない豆が入っているみたい。サイトを調べると茜丸本舗さんの一押し商品が「五色どらやき」で、なんと五種類の豆を使ったあんこなんだそうですよ!
金時豆、うぐいす豆、小豆、虎豆、白小豆の御種類が入ってるんですって。私が食べたものの中ではうぐいす豆は見かけませんでしたが、なんとなく虎豆かな?金時豆かな?というのは発見できました。

アズキだけじゃなくていろんな風味の豆が入ってると、味がぶつかるかなとおもいますが、そんなことはなくちゃんと一つの味になってます。すごく美味しい!さすが大阪!!
サラッと軽い感じでいくらでも食べられちゃう味です。

先生からは9個もいただきましたが、我が家は全員甘党ですので、瞬殺でした。私は二個しか食べてないです…悔しい…

 

茜丸本舗
http://www.akanemaru.co.jp/

【関西旅】⑤植治七代目の仕事に出会う「慶沢園」/『山の神仏』展@大阪市立美術館


さて、『山の神仏』展は、想像していた通り濃厚な展示で、私はへとへとになってしまいました。余力があったら動物園にもよろうかな、なんて思っていたのはやはり無理がありましたね。

気温も急に上がったことも理由かもしれません。園内にある喫茶店で冷たいお茶でも飲んで一休みしたら、素直に京都に向かおうかしら、と思いながら、美術館を出てふと左手に歩いていると…

「慶沢園」

といういわくありげな扁額を掲げた門があります。

そういえば、この大阪市立美術館は、住友本家の本宅を寄贈したものです。だとしたら、当時最高の庭師が入ったに違いないですよ。

少々熱中症気味の痺れた頭を、どうにか動かしながら、ちょっと説明書き読んで見るかどうか決めよーっと、とよれよれしながら説明書きを見て、一気に目が覚めました。

「小川治兵衛作庭による…」

ええええ!!植治(うえじ)じゃん!!???

いやあ、ほんとすみません。油断してました。今回はとにかく「山の神仏」展を見に来たので、そのほかのリサーチはしてこなかったんです。危なくもったいないことをするところでした。

慶沢園 うっほ~!この第一歩からして、治兵衛サンっぽいわ~!石橋から眺めるこの池の美しいこと。まずは「光」のアプローチ、って感じ。残念ながら曇りでしたけど、それでも植栽に植え込んでいるツツジや花菖蒲なんかが美しく色を添えてくれてます。一雨来た後にこの光景を見れたらさらにベストだったなあ。

さて先ほどから連発してますこの「小川治兵衛」さんというのは、京都に江戸時代中期から続く植木屋・造園業者「植治」の七代目。1860年生まれですからぎりぎり幕末生まれ、明治から昭和にかけて大活躍した名作庭家です。

庭園研究家の泰斗・尼崎博正先生をして、
「日本の庭園史上、特筆すべき造園家が三人いる。中世の夢窓国師、近世の小堀遠州、そして近代庭園の先覚者、植治こと7代目小川治兵衛である。」(『植治 七代目小川治兵衛』京都通信社刊より引用)

と言わせしめているお方。あの夢想国師、小堀遠州と並ぶと、尼崎先生がおっしゃるんですもの、まさに庭園史上の「巨人」です。
20140621-1(上の本は私のバイブル。写真も美しくて素晴らしい一冊ですよ!!)

「かれらは独自の自然観、美意識、造形感覚を提示しつつ、新しい時代を切り開いていったという共通点を持つ」(同書から引用)

確かに夢想国師は平安時代の庭では表現しきれない新しい世・鎌倉時代を代表する作庭を行い、それ以降の作庭を決定づけましたし、小堀遠州も安土桃山時代の華やかさを継承しつつも、近世らしいより開かれた空気感のある方向性に、江戸初期以降の作庭を方向づけました。そして、小川治兵衛さんも江戸時代から明治期という、それまで支配者にはなりえなかった階層のひとたちが貴顕の士となった時代の写実的で開明的な作庭を方向付けました。
慶沢園

(手前は四阿。こういう四阿から池、植栽の広がりってのがまた絵になりますねえ)

この7代目植治さんの代表的なお庭と言えば、山縣有朋邸の無鄰菴(京都)、円山公園、平安神宮神苑などがあります。どのお庭も、ほんっと~~~に素晴らしいので、ぜひまだご覧になったことがない方は、観に行ってください。特に、治兵衛さんのお庭は「体感」することが大切。ただ眺める庭ではなく、実際に回遊して「五感」で感じるようにしているお庭なんですね。
慶沢園(四阿から眺めた池。手前には睡蓮、奥にはツツジがきれいに咲き始めてました)

また彼は「水と石の魔術師」なんて呼ばれたりしてます。とにかく水の使い方、石の使い方がかっこいい!!
特に石橋や、飛び石の絶妙さは、素人の私でもワクワクしてしまいます。平安神宮の飛び石「臥竜橋」なんてもう、絶妙すぎて動揺して池におちそうです。
慶沢園(この石橋なんかも、治兵衛さんぽいんですけど、なんか微妙に管理が心配^^;)

こちらの慶沢園も、いかにも治兵衛さん作庭のお庭という雰囲気が随所に残っています。回遊しながら水のせせらぎ、四阿の陰翳から、眼前を広がる明るさを感じて崎には邸宅が臨める、と。
慶沢園(洲浜のようなエリアから飛び石、水のあるエリア、島へのアプローチ、そしてその先には本邸背面。この絶妙な連結感!)

それにしても。
和のお庭にもかかわらず、その自然主義的なデザインは、洋館との相性もばっちりです。本当に不思議なことですけど…。

今回、帰宅してから、改めてこの本を開いて読んでみて、つくづく思いました。わたしは治兵衛さんのお庭がすきだ!!・・・と。

今回の出会いを、きっかけに、これから重点的に治兵衛さん作庭のお庭を見て廻ろうかしら。

それにしても、大阪市立美術館、そして慶沢園、今回かなり無理やりスケジュールに入れこみましたが、本当に行ってよかったです!

【関西旅】③熊野は隈の地。籠りの地。/『山の神仏』展@大阪市立美術館



熊野は「隠国(こもりく)」。神霊のこもり隠れる場所

熊野三山と言いますと、熊野本宮・速玉・那智の三社のことですよね。こちらも吉野とはまた違った意味で、信仰活動がずーっと盛んだった地域です。あまりに重層的で、どう説明したらいいか、私のような素人にはもうお手上げ状態ではありますが、この素晴らしい図録の寄稿「熊野の神仏」(植島啓司氏執筆)を拝読していて、頭の中がだいぶ整理されてきました。

ちなみに、『日本歴史地名大系』を調べてみますと、「熊野」という言葉は、『国造本紀』に景行天皇のときに、大阿斗足尼という人を「熊野国」の国造に任命したとあるそうで、そこが最古みたい。

この熊野国はその後、紀伊国牟婁郡(むろごおり)となったそうなのですが、この「牟婁」は「室」のことで、神霊の隠れ籠るところを「神奈備の御室(みむろ)」というらしいのですが、この「御室」と同じ意味。でもって「熊野」の「くま」も「熊は隈にてこもる義にして」(続風土記)だそうで、同じ意味なんだそうです。

そして、この熊(隈)は、「死者の霊のこもるところ」という意味もあり、そのような地を万葉集では「隠国(こもりく)」と呼んでいたそうなんですが、「クマ」「コモ」というのも同じ意味を指すそうで、つまり、熊野国も「隠国」という意味の国名だった、と。

すみません、なんだかまわりくどい書き方になってますけど、ざっくり言ってしまえば、クマ野という名前を持つこの国は、昔から「神の国」「霊の国」、もっと言ってしまえば「あの世」みたいな意味合いを持っている場所だった、と言えますね。

この言葉の意味を前提として、また図録に戻りますと。

おおお、なるほど!
熊野の参籠についてのところ、

「それらの多くが目指したのは「籠り」(インキュベーション)ということであって、山林での修行のみならず、いずこかに籠って夢や瞑想を通じて何らかの啓示〔託宣〕を得るところであった」(P199)

とあります。

なんとなく、吉野との違いがあるような気がしますよね!吉野は山林を駆け巡る行がメインな感じで、熊野は瞑想したりして静かに籠る感じ。

吉野と熊野。
動と静。陽と隠。生と死。男性と女性。

といったイメージ。

そういえば、熊野には国生みの女神・イザナミノミコトの墓所と言われる花窟神社がありますし。ね。もちろんそんな単純な対比では間違っちゃうかもしれませんが、ざっくりとしたイメージとしてはありなんじゃないでしょうか、これ。
untitled上の写真は、10年ほど前に花窟神社のお祭りを見に行った時の写真。このおおきな岩がご神体で、この岩壁に大きく空いた穴がイザナミノミコトの被葬地とされてます。

この神社があるエリアは、熊野の中でも最古層の神域、神籬(ひもろぎ)だった場所みたいですね。図録によりますと、そのエリアの神社から、弥生時代の遺跡が発見され、神をまつったような痕跡があったそうで、とにかくもう気が遠くなるように長い間この地には神聖な場所という意味があった、と思われるわけです。

そういう「聖地」だからこそ、新しい宗教だった仏教も入ってきたし、各時代で「あの世」「浄土」ととらえられ、熊野を訪れる人々が列をなした、ということなんでしょう。

平安時代の名品「熊野速玉大神坐像」 
20140527-7

展示のほうの話もしないとですね。展示のほうも素晴らしいラインナップでした。

とくに、「熊野速玉大神」像(国宝)が素晴らしい!!

上の写真は、園内に飾られていたポスターですが、このポスターの中央にあるお像がこの速玉大神像です。

神像というと、仏像のように凝ったつくりではなく、ちょっと素朴なお像が多いですが、このお像は非常に立派な作りで見事としか言いようがありません。

どっしりとした存在感。いかにも男らしい風貌です。

そのほかに、印象的だったのは「熊野曼荼羅図」でしょうか。熊野の神仏の世界を表わした「熊野曼荼羅図」がとにかくこれでもかとたくさん展示されていました。これらを見ていると、熊野はまさに「宇宙」と言ってもいいんじゃないかというような…。

それにしても、こうして少し熊野のことを知ってきますと、実際にたずねてみたくなりますね。そろそろ呼ばれどきかな?

(続く)