muto の紹介

ありをりある.com編集長。アウトドア系出版社を経て、ありをる企画制作所を設立。編集者・ライターとして活動中。気になる分野は歴史・伝統文化・仏教・いろんな国のいろんな考え方など。好きな食べ物はあんことなす。趣味は三線弾きと剣道。

BE-PAL.NET連載「文化系アウトドアのススメ」まとめ②修験道の原郷「金剛山」


昨年年末からアウトドア雑誌『BE-PAL』さんのwebで始まった連載「文化系アウトドアのススメ」。連載と言っても不定期。しかも3回に分かれていたりするもんで、繋がりがわからなくなっちゃうよという、知り合いの感想があり。テーマごとに、こちらでもまとめをつくっておこうと思い立ちました。

だいたいひと月に一度、テーマが変わるようなペースで執筆してるんですが、最初のテーマは「大和葛城山」、次のテーマは「金剛山」でした。

上の写真は、大和葛城山から望む金剛山!
昨年の11月に訪れた時は、秋の紅葉が始まっていて、そりゃもう美しかったですよ!

金剛山は、関西の皆さんにはめちゃめちゃメジャーなお山だと思いますが、関東在住の人は、あまりご存じないかもしれませんね。私は歴史好きなので「金剛山」はいつも気になる山でしたし、ぜひ一度登ってみたいと思っていました。「登ってみる」なんて言っちゃってますけど、この取材は、思いっきりロープウェイに乗ってますけども……(恥)。

それにしても、あらゆる意味で、本当に魅力的な山でした!!

とにかく歴史が濃い!!
今回は、「修験道」にフォーカスして取材しましたが、あらゆる時代の記憶の蓄積がものすごい場所で、その深遠さに慄き、オロオロして終わった、と言ってもいいかもしれません。ぜひまた訪ねたいです!

そしてこの取材でうれしかったのは、旅の途中に出会った大阪の皆さんに、ものすごくよくしていただいたということです。記事ではご紹介しきれきませんでしたが、宿泊した山荘・香楠荘さんも、素晴らしかったです。

そして、本っ当に!!
お食事美味しかった!
鴨鍋サイコー!
上の写真、これ一人前ですよ。見切れちゃってますが、お蕎麦もついていて、さらに〆の雑炊までありますから、もう……。

さらに、こちらに戻ってきてからも、金剛山の核心というべき転法輪寺のご住職には、お電話やメールで、何度も対応していただきましたが、癒しの連続でした。こういう出会いがあるから、この仕事辞められないんです。ほんと生きててよかったなあ、と思います。

そんな熱い思いが吹きだしてしまった3回。ぜひお暇な時に、まとめてご覧ください!

第1回目↓

大阪府の最高峰、修験道の原郷「金剛山」へ! 【文化系アウトドアのススメ Vol.4】

第2回目↓

創建は2000年前!?金剛山で悠久の時を感じる

第3回目↓

これぞ金剛山の魂!転法輪寺で異形のほとけに出会う

女帝はなぜ誕生し、封印されたのか?/「第一特集 天皇と日本史」『歴史街道』平成31年5月号(PHP研究所)


「令和元年」がいよいよスタートしましたね~!

新しい天皇陛下と皇后陛下も即位されて、新しい御代が始まりました。上皇陛下と上皇后陛下が、少しでも心平らかに、日々をお過ごしになられますよう、願わずにはいられません。

さて。

ここ数日、各局で「天皇」について、報道されています。これを機会に、ぜひ天皇という存在、ひいては日本の歴史に思いを馳せたいものです。

そんな時に、まさにナイスタイミング!雑誌『歴史街道』の第一特集は「天皇と日本史の謎」ですよ~!!


「戦乱にどう向き合ったか」という副題がついていますね。

これは、日本の歴史は、天皇の歴史と言っても過言ではない、それほど長い年月がありますし、天皇像にも変化があります。その多彩な実像を、戦乱という過酷な状況下に追うことで、限られた紙面で掬い興そうという試みではないかと思います(たぶん)。

◇古代ー律令国家への道(倉本一宏先生)、
◇平安・鎌倉ー「武者の世」の始まり(坂井孝一先生)、
◇室町・戦国・江戸-「武家政権との確執」(今谷明先生)、

と時代ごとにざっくり分け、さらに加えて、

◇「古代の女帝はなぜ誕生し、いかに封印されたか」(遠山美都男先生)

と展開。この特集を通読すると、「天皇」という存在が、「ある部分は変わらず」、「ある部分は多彩に変化している」ということを知ることができると思います。すごく勉強になりますよ!

ちなみに私は、遠山先生の「古代の女帝はなぜ誕生し、いかに封印されたか」について編集協力させていただきました。

いやあほんと。自分で編集させていただきながら言うのもなんですが、めっちゃ面白いです。遠山先生の舌鋒は実に鋭く、明快。目から鱗が落ちまくりました!

今後、女性天皇についての議論が、再び熱くなるだろうと思いますが、ぜひこの記事を一読いただきたいと思います。

(むとう)

あんこは甘くなかったんです!「あんこと和菓子の初めて物語」/『歴史街道』平成31年5月号(PHP研究所)


『歴史街道』さんで、記事を書かせていただきました!

なんと、テーマは「和菓子」です。
いやあ、びっくり!

書籍のほうで長年お世話になってきたO編集長とM副編集長が、私があんこ好きだということを覚えていてくださったんです。それで、お声かけてくださった、と!!

おそらく、あたりかまわずベラベラと、あんこへの愛を語ったんでしょう。付き合って下さったお二人には申し訳ないですが、しかし、ベラベラとお話しておいてよかった。かつての私グッジョブ。

とはいえ、何しろ、歴史系雑誌の名門『歴史街道』ですから、多少は歴史っぽいことを書いていますし、私としてはやや硬めに書いたつもりです。

が、しかし。

このあまりにハードな特集ラインナップの中では、ひたすらゆるいページになっていると思います^^;。ぜひ、和菓子の歴史で一休みしてください!

イチローさんの会見を見て~本当に強い人は優しい~


突然ですが、イチロー選手が、引退を表明しましたね。

引退会見もよかった。私は、その存在感に改めて圧倒されました。

会見の中では、記者の質問を、時にばっさり切り捨てていましたが、それでも、何ともいえない優しさ、他者へのいたわりのようなものを感じました。

イチローさんというと、求道者といったイメージがあります。彼の振舞いには、道を志す人ならではの深い精神世界を感じずにはいられません。彼に「武士道」の面影を感じる人も多いでしょう。私も彼を見ているとどうしても、「武士道」を連想してしまいます。実は、イチローさんの記者会見を見ていると、どうしても連想してしまう人がいます。私が幼い時に憧れ、短い期間でしたが可愛がっていただいた、剣道家の楢崎正彦先生です。

楢崎先生がものすごく強く、偉い人なんだということは、先生のお立場や9段という段位からしても、わかっていました。また、子どもの目から見ても、そりゃもうすごかった。「強烈な強さは、美しさと同意なんだ」と、私は思いました。それはもう、本当にすべてが美しかったですからね。

しかし、「美しい」ことは、「こわい」にもつながります。今その時のことを分析してみると、圧倒的な「気」みたいなものを発散されていたのかもしれません。側に行くなんて、とてもとても。こわいんですよ、それは。

当時、ちょっと問題のある環境にいた私を、先生は不憫に思ってくれたんでしょう。特別に大人の先生方のお稽古の末席に加えてくださって、週に一度稽古をしてくださいました。稽古の時には、必ず「さあ、来なさい」と呼んでくださるので、怖いですけど、側に行かなければなりません。

その時の心境を説明すると、「虎の前に立っているような気分」でした。虎ってものすごく美しいですよね。でも、ものすごく怖い。そんな感じです。そんなにもこわがっているくせに、私が先生を慕ったのは、その「優しい目」ゆえでした。涼しげな眼差しには、いつも茶目っ気と微笑みが漂っている、そんな目をしていました。先生に稽古をつけていただいてからもう30年経つというのに、あの優しい目は今も忘れられません。稽古は厳しかったですけど、いつもあの優しい目が、私を見守ってくださった。

本当に強い人は、優しいんだ。

私は、そう思っていました。実は、イチローさんの記者会見を見ていて、私はそのことを思い出したんです。イチローさんの目も優しいな、と。

イチローさんも、そもそも天性の才を持っておられるとは思いますが、とてつもない苦労と、努力をしてこられたでしょう。あれだけの選手ともなれば、野球の分野だけのご苦労ではないと思います。こころない批判にさらされたこともあったでしょうし、裏切りにもあったかもしれない。私たちには見えない部分で、きっとそんなこともたくさんあるんだろうと思います。ではないと、あんな優しい目にはならないんじゃないかなと思うんです。苦しみを知っているから、ほかの人へのいたわりや優しさを持っている。あの優しい目は、そういう目です。

大人になってから、楢崎先生がB級戦犯として死刑を宣告され、巣鴨に収容されていたことを知りました。先生が観てきた世界とは、私には想像できないほど過酷なものだったはずです。その果てにあの優しい目があったんだ、と何かものすごく腑に落ちるものがあります。

そんな楢崎先生と、イチローさんが重なるんです。野球と剣道の違いはありますが(ちなみに楢崎先生も、剣道界ではだれもが知る伝説的な剣士です)、イチローさんは、世界中の野球選手から尊敬され、憧れられている特別なひとだと言います。それはとても分かる気がします。あの、「本当に強い人」特有の、茶目っ気たっぷりの優しい目で見つめられたら、ひとたまりもない。天才肌で誰のいうことも聞かないような強い生き物――まるでライオンや虎のような選手でも、コロンと猫のようになってしまうのではないでしょうか。

これからは「人望がないから」なんて冗談はいわずに、ぜひ、監督でもなんでも、人を導くひとになってほしいなあ、と勝手に願っています。ただそこにいるだけでも、その姿を見るだけでも、勉強になるような人です。

特に、子どもにとって一番素晴らしい教育とは、本当にすごい人を見ること、知ることなんじゃないかと私は思います。「あんな大人になりたい」と思える存在がいるということは、何よりの教育です。イチローさんは、まさにそんな人。イチローさんがこれからどう生きていかれるか(にわかファンで恐縮ですが)ワクワクしてしまいます。

あ。

ところで、今気づいてしまったんですけど、イチローさんと私、同い年でした^^;。な、なんと…。こんなにも差があるなんて、びっくり。でもまあ、私は私ですよね!? 頑張って生きていきます。

(むとう)

■以下の動画は、ネット上にある楢崎先生の唯一の動画かも。楢崎先生と同じく9段の谷口先生の対戦を見られるなんて、ほんとうにありがたい。youtubeありがとう!

BE-PAL.NET連載「文化系アウトドアのススメ」まとめ①修験道の始まりの場所「大和葛城山」


お久しぶりです!

だいぶアップしていなかったですが、私は元気です。

FBなどでは頻繁に更新してるのに、自分のサイトの「日誌」ではほとんど日誌を書いていない、というこの状況を、ちょっと改めます。今後は、日誌代わりにこちらに書いていこうと思います。

さて、仕事のご報告も兼ねてですが、昨年年末からアウトドア雑誌『BE-PAL』さんのwebで連載を始めました。

連載と言っても不定期連載。でも内容は結構濃くて、三回に分かれていたりするもんで、繋がりがわからなくなっちゃうよという、知り合いの感想があり。テーマごとに、こちらでもまとめをつくっておこうと思い立ちました。

だいたいひと月に一度、テーマが変わるように執筆してるんですが、最初のテーマは「大和葛城山」でした。

秋の大和葛城山は、きれいでしたよ~!上の写真は、サイトではアップしませんでしたが、やたらとはしゃぐ私です。さてさて、第一回は、こちら!↓

新連載 文化系アウトドアのススメ  Vol.1 大和葛城山の山麓をゆく

第二回!↓

文化系アウトドアのススメ Vol.2 大和葛城山の頂きで「国見」気分

第三回!↓

修験道の祖・役小角を妄想してみる 【文化系アウトドアのススメ Vol.3】

…というわけで、新連載はいきなりの修験道の始まりの場所、大和葛城山から役行者レポートでスタート。

アウトドア雑誌のWEBに、この内容でいいんかいな、と回を重ねるごとに思いますが、でもまあ、担当編集Nさんがいいと言ってるし、いいか。と腹をくくっています。

ぜひ、未読の方がいらっしゃいましたら、覗いてみてくださいね~!

(むとう)

おかげさまで累計83万部突破!待望の第12巻、ついに発売。『本所おけら長屋(十二)』/畠山健二著


編集のお手伝いをさせていただいております、『本所おけら長屋』シリーズ、満を持しての第12巻がついに2/8(早いところですと2/7)に発売になります!!

本所おけら長屋(十二) (PHP文芸文庫) 

オビには「80万部」とありますが、校了後も着々と重版を重ねまして、この記事原稿を書いた時点で、82万部を突破しておりました。さらに嬉しいことに、昨日(2/5)発売前重版がかかりまして、現在83万部(実は四捨五入すると84万部!!)になりました。いやほんともう勢いが止まりません!

「100万部、今年必ず実現させます!」

PHPさんの営業ご担当の皆さんが、鼻息荒くおっしゃってくださってますが、これはいけるんじゃないでしょうか!?
(営業部の皆さんの気合は本当にすごい!東京メトロに展開するために作ったというシールを私もいただいたので、オフィスの書棚にセットしてみましたよ。)

時代小説家として、まさに快進撃を続ける畠山先生。実はこのシリーズが、初めて執筆された時代小説なんですよ。それがいきなりこんなヒットシリーズなんですから、本当にびっくりですよね!?

びっくりなんていってしまいましたが、実際に本書を読んでいただけたら、その人気っぷりにも、納得していただけると思います。1冊につき4篇から7篇の連作短編がラインアップしているのですが、その全てが練りに練ったネタで、しかも書下ろし・初出のお話なんですから。その気迫たるや、ただ事ではありません。

気迫は、そのまま作品の凄みになっていると思います。凄みなんていうと、怖そうですが、スルッと作品世界に入って、まるでそこに暮らしているかのようにおけらの世界を楽しむことができます。私は、素晴らしい小説というのは、「読者が本を読んでいることを忘れてしまう」作品だと思うのですが、『おけら長屋』はまさにそれです。

第12巻も、もちろんそんな作品のオンパレードです。そして、ますます円熟味を増してきてます!

今回の裏テーマは何ですか?と先生に伺ったら、「女の意地だね」とにっこり。

先生が描き出す「女」は、本当にかっこいいんですよね。おけら読者の皆さんは、ここで大きく頷いてくださると思いますが、そりゃもう気もちのいい、粋な女がたくさん登場します。今回の作品にも、そんな女たちの活躍が縦横無尽に語られています。

ぜひ、お手に取ってみてくださいね!!

(むとう)

2019年、新年のご挨拶。


新年、あけましておめでとうございます!

この年末は、ここ数年の中でも特にバタバタしてしまい、各位に不義理を重ねてしまいました。もうちょっと余裕のある年末年始を過ごすことが、早くも来年への抱負となった新年です。皆様はいかがお過ごしでしょうか?

2018年は2017年に引き続き、微力かつ牛歩ではありますが、一つ歩を重ねられたかな?と思える一年でした。

まずは長年携わっている編集のお仕事。
ずっと担当させていただいております畠山健二先生の書下ろし時代小説シリーズ『本所おけら長屋』は累計73万部を突破、2019年はついに夢の大台100万部がみえてまいりました!そして、五木寛之先生も『人生百年時代のこころと体の整え方』を皮切りとして、『人生百年』シリーズとして、新シリーズをスタートさせることができました!!
いずれにしても、各先生、版元・PHP研究所の皆様のご尽力の賜物なのですが、外部編集者として担当させていただいております私としても、喜びと誇りを感じております。

さらに、執筆のお仕事では、共著で書き下ろした本『今を生きるための密教』(天夢人)を出版できました。編集者ではなく、執筆者として、私を「共著者に」と推してくださった本田さんには、足を向けて寝られません。さらに嬉しいことに、本書はシリーズになりまして、第二弾のテーマも『修験道』に決まりました。密教に続き修験道もこれから一生懸命勉強して、取材をして、面白い文章を書いていきたいと思っております。

さらに、新しいチャレンジとして、webでのお仕事をスタートしました。昨年12月から小学館さんの「BE-PAL.NET」で「文化系アウトドアのススメ」をスタートしました。

これまで、紙媒体しかやったことがなかったので、ドキドキだったのですが、担当してくださっているN副編集長は、私の癖もよくご存じ。きっとうまくハンドリングしてくださるだろうと、大船に乗った気持ちで、今は(いい意味で)開き直っております。理解してくださる方に並走していただけるのは、本当に嬉しいですね!今からどんなふうに書こうかな?とワクワクしています。

***

今年で「平成」が終わります。

この時代が変わるタイミングと、変化によっておこる勢いに、私もどうにかのっていきたいと思います。

そんな意味でも、今年のテーマは「変化」。
そして心構えとしては「新しいことを恐れずやってみる」としていきたいと思っております。

どうか皆様。
本年も何卒よろしくお願い申し上げます!

ありをる企画制作所 武藤郁子 拝

本日刊行した『今を生きるための密教』のお祝いに、ステキなイラストをいただいちゃいました!!


ついに本日発売となりました『今を生きるための密教』。
イラストを書いてくださった唐木みゆさんが、お祝いプレゼントにこんな素敵なイラストをくださいました~!!

本書の中に登場する「熊」と「狸」は、著者である本田さんと武藤をイメージして、唐木さんに書き下ろしていただいたキャラクターなんです。

いやもう、本当に、めっっちゃ可愛いでしょう!??

「動物としての野性、ある種の狂気は残しながらも、動物的な可愛さの範疇でありながら、人間っぽさもあるキャラクターを…」

そんな無茶なお願いに、200パーセントの仕上がりで答えてくださいました。

すぐに迷いだす癖のある私ですが、そんな唐木さんの素晴らしいイラストをいただいて、この本における自分自身の方向性に確信が持てました。そんな意味でも、いろんな意味でも、唐木さんには、何度感謝を申し上げても、足りない気持ちでいっぱいです。

唐木さんの世界観というのは、とても今回の本だけではご紹介しきれないものですが、扉絵を書き下ろしていただいた中にも、その片鱗を見ることができるかと思います。

ちょっと、二枚ほどご紹介させていただいちゃいますね!

いやあ、ほんと最高です!

扉絵は7枚ありますが、ぜひ皆さん、扉絵にもご注目くださいね!
その一枚一枚に、唐木さんが捉えた「密教世界のエッセンス」が込められています。

本書は、主役がたくさんいる本だなあ、とつくづく思います。唐木さんのイラストも間違いなく主役の一つです。

唐木さんは、どのイラストも丁寧に掘り下げて、深く潜りながら書いてくださいました。まさに、傑作!

ぜひ、皆様にも、唐木さんの世界を感じてみていただけたらと思います。ぜひぜひお手に取っていただけたら幸いです!

(武藤)

これからを生きるために、自分の足元をちゃんと知りたい。日本文化の源流と叡智へ迫るシリーズ第一弾登場!『今を生きるための密教』/本田不二雄・武藤郁子著


日本文化の根源に迫る新シリーズ、ついにスタート!

密教をテーマに書いてるんですよ~、と言い続けて、早幾月。なかなか本にならなくて、白目をむく日々でしたが、明けない夜はないんですねえ。ついに、12月17日に発売になります!(少々フライングです。すみません!)

私たちの足元にあるものーー私たちの思考や精神の土台になっている大切なもの。

日本文化の基層にあるものを、本田さんと武藤なりに、一歩なりとも迫っていこうとするシリーズが、ついにスタート。第一弾は「密教」です。

これまでにも、仏教をテーマにした本などは何冊か「編集」として経験してはいるものの、今回は執筆者としてですから、ニュアンスが違います。

今回、このような機会をいただいたのは、神仏探偵としても名高い本田不二雄さんの大胆なご推薦によるものでした。そして、幸運なことに版元の天夢人(テムジン)さんの社長・勝峰さんは、私が勤めていた出版社の先輩。不安もおありだったと思いますが、快く承諾してくださいました。いずれにせよ、シロウトの門外漢である私が、「密教」について書いていいのか…。そんな葛藤を抱えながらでしたが、兄と慕う本田不二雄さんのおおらかさと導きによって、どうにかこうにか…。

結局自分なりに考えて、「シロウトで門外漢である」、そこを立脚点にしようと決めました。知らないことは知らない、知ったかぶりは絶対しない(出来ないけど)、と。本書は、本田さんという先達と、武藤という門前の小僧が辿る、「密教を知るための軌跡の記録」と言えるかもしれません。

そのため、ちょっと変わった構成になっています。

章立ても、「章」ではなく、「門」としました。ひとつひとつ、門をくぐって奥へ進んでいくようなイメージです。ですから、序(プロローグ)は「門前」という名前にしました。「密教」という大いなる叡智を前にして、「門前」に佇む私たち自身を、ちょっとでも表現したかったのです。

(本田さんが書き下ろしてくださった「まえがき」をぜひご覧ください!本書はそんな心持でお読みいただけたら幸いなのです)

「門前の小僧」を自称。素朴な質問を連発

そんな門外漢の私にとって、宮坂宥洪先生(真言宗智山派・智山伝法院院長、照光寺住職)との出会いは、最高の幸運でした。私の「わからない」に優しく応えてくださり、そのあたたかい言葉の数々があまりにも「目から鱗」だったので、本田さんにご相談して、本書の冒頭の「門前」の根源にさせていただきました。じつは、この「雲」の言葉の源は、宮坂先生のお言葉です(ちなみに、熊は本田さん、メガネ狸はワタクシ、武藤がモデル)。

(この可愛らしいイラストを書き下ろしてくださったのは、唐木みゆさんです!)

「密教とは何なんでしょう。できるだけ簡単に教えてください」

冒頭にそんな台詞を言っちゃってますけど、本来こんなこと聞けません。「密教を簡単に説明なんてできない」、多くのお坊さまはそうおっしゃるんじゃないかと思います。それはそれで、「おっしゃる通りです」とこうべを垂れるほかないのですが、しかし、本当の始まりとして、この質問をどうしてもいれたかったのです。

そして幸いなことに、宮坂先生は、こんな質問にも優しく、しかしはっきりとわかりやすい言葉をくださいました。さらに、本田さん執筆の第二門「密教を知る」では、「特別講話」として、密教について深く、わかりやすく語ってくださっています。

さらにさらに、私が書いた「第四門 仏尊の世界」を監修してくださいました。先生が見てくださったので、解説文はもちろんですが、密教ならではの仏尊の種子も真言も、間違いのない内容になっているのではないかと思います。

そしてもう一人、大変お世話になったのが羽田守快先生(天台寺門宗・金翅鳥院住職)です。本田さん執筆の第三門「密教の現場を知る」では、密教の祈祷が今どのように行われているかを、歯に衣着せぬ口調で、縦横無尽に語ってくださいました。
私も、「遊行」という章で、戦国時代の呪法について書いているのですが、羽田先生に呪法についてご教授いただきました。歴史研究者が間違えていることをたくさん教えていただいたので、今(だけは)瞬間風速的に、戦国時代の呪法についてはちょっと詳しい人になっています。それにしても、文献は大切ですけど、根本的な知識があって読まないと、読み間違えてしまいますね。

とにかく感動してしまったのは、空海という人の凄さ

今回、自分なりに勉強し、先生方にご教示いただいて、驚き・感動したことは本当にたくさんあります。しかし、あえて何か一つ、と思うと、やっぱり「空海さんって、本当にすごいな!」ということです(素朴で恐縮です)。

こんなにすごい存在が、約1200年前に実際に生きていた人なのかと思うと、何だかもう、不思議な思いすら湧いてきます。どんなにすごい存在であるかは、本田さん執筆の第一門「空海を知る」をご覧いただきたいのですが、こんなに魅力的な人物が日本にいたのか、とつくづく感動してしまいました。

私が「密教」に感じる魅力というのは、ほとんど「空海」さんとイコールと言っていいかもしれません。表現力、言語力、構成力、デザイン力、そして包容力、他者への慈悲の深さなど、そのすべてが空前絶後だと思います。

本書が、そんな空海の、ひいては密教の魅力を知るための、ささやかな一助になれたらいいなあと、心から思います。

そして、私自身も、本書を書かせていただいたことで、小さな一歩を踏み出したような気持ちでいます(その軌跡はぜひ「遊行」という章をご覧ください)。密教を知った、わかったとは、思っていません。

ただ、あえて言うならば、「密教」という、「美しくて大きくて、果てしなく広がる深い森がある」ということを知った。そしてその深い森の入り口でちょっとビビりながらも、ワクワクしている、そんな心境なのです。

これからも、「密教」という大いなる叡智を、勉強していきたいと思います。今回の本は、私にとって始まりです。本書を手に取ってくださった皆さんも、そんなふうに感じていただけたら最高に嬉しいです。

ぜひ、ぜひ、お手に取ってみてくださいね~!!
よろしくお願いいたします!

最後になりますが、共著者の本田不二雄さん。一緒に歩んでくださって、本当にありがとうございました!そして、様々な形で導いてくださった宮坂宥洪先生、羽田守快先生、取材にご協力いただきました皆様、素敵なイラストを書いてくださった唐木みゆさん、デザイナーの高橋潤さん、そして編集を担当してくださった天夢人の武田さん、そして勝峰さんに、改めて御礼申し上げます。

(武藤郁子)

雑誌『BE-PAL』公式サイト「BE-PAL.NET」で、新連載「文化系アウトドアのススメ」をスタートしました!


私は、本サイト「ありをりある」で、密かに「文化系アウトドア」を標榜してきました。
それは、アウトドア系出版社に在籍していたということもありますが、実際に自分がやっていることに名前をつけたくなってひねり出した一つの概念だったんです。

しかし、特に大プッシュするでもなく、細々と書き連ねて早8年…。

……が、ようやく、皆さんに知ってもらえるチャンス到来!

雑誌『サライ』で大変お世話になっていた編集者Nさんが、アウトドア雑誌『BE-PAL』へ移籍され、このたびWEBの責任者になられて、「文化系アウトドアで書いてみない?」と、私にも声をかけてくださったのです。

Nさんは、ものすごい博識で、「文化」を絵にかいたようなお人なのですが、そんなNさんとお仕事するとしたら、やっぱそのテーマはこれしかないと、私も二つ返事でOK!

自分がやっていることを、そのまま発表してもいい場所を与えていただけて、本当に嬉しいです。張り切って楽しんで書いていきたいと思います。

ぜひ、お暇な時に覗いてみてくださいね~!

新連載 文化系アウトドアのススメ  Vol.1 大和葛城山の山麓をゆく