file.95 鈴屋の「デラックスケーキ」

いちにちいちあんこ

最近、大変お世話になっているお仕事先が、豊洲駅の側に引っ越しをされたので、どうにか美味しいものを探したいと、意気込んでおります。

しかし、豊洲駅と言うのは新しい地域なため、いわゆる老舗の和菓子屋さん、と言ったお店が見当たりません。

しかし仕事のお供にあんこは必要です。

さあ、どうする私…。

……そう。
そうですよ。

こんな時は、スーパーマーケットに行くのが良いですよね。

最近のスーパーは、地方の特産物を置いていたり、そうでなくてもお総菜コーナーの端っこに、地元の和菓子やさんのおまんじゅうをばら売りしてるなんてことが結構ありますからね!

そんなわけで、駅前のちょっと明治屋さんみたいなスーパーがあったので、さっそく物色すると…

フフフ…。

ありましたよ!やっぱり!

地方の美味しいものコーナーみたいなのが!

そこで、ひときわ目立っていたのが、鈴屋さんの「デラックスケーキ」。あまりたくさん買っても食べきれないので、一個だけ買ってみました。

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お約束の時間まで、ちょっと時間がありましたので、歩道にあったベンチでおやつたーいむ!

ここで、知り合いに出会ったしまっためちゃくちゃ恥ずかしいぞ、と思いながらも誘惑に勝てませんでした。

鈴屋さんの「デラックスケーキ」。
このパッケージめちゃくちゃかわいいですよね~~!
スマホで調べてみましたら、紀伊田辺にある昔ながらの洋菓子屋さん+和菓子屋さんみたいです。昔は、和菓子屋さんにケーキ売ったりしてましたが、そんなオールドスタイルのお店のようですね。

これ、一瞬あんこ関係ないと思いますよね?

でも、ケーキの間に、手亡豆(白インゲン豆の一種)のジャム(?)が挟まっているので、ギリギリセーフであんこものにカウントしますよ!

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ふふふ、そう、そうきましたか。

ですよね~~。

こういう昔ながらのお菓子で、銀色の紙で包まれているものって、だいたいホワイトチョコレートでコーティングされてますよね。

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そしてそのホワイトチョコレートが、昔風っていうのかな、あまりコクがないというと失礼かな、つまりさっぱりした味なんですよね。

このホワイトチョコレートのコーティングの先にある、真ん中の線、これが手亡豆のジャムですね!

20150629-3割ってみますとこんな感じです。

生地はカステラ。スポンジケーキとはまたちょっと違います。間に入っている手亡豆ジャムは、ホワイトチョコレートとカステラの個性に押され気味で、一口食べてすぐに「あんこ、いる!」とは思えなかったので、ちょっとつまんで味見してみました。

あ、確かにこれは手亡豆だ!

いいでしょう、これは。
あんこものカウントでも!

かなりしっかりと甘いのですが、とにかく優しい味です。
初めて食べましたが、懐かしい、そんな味。

和歌山県ではとても有名なお菓子だそうです。やっぱ地元に愛され続けているお菓子って、いいですよね!

あっという間に完食。
もう一個買っておけばよかったかな。

鈴屋
http://dxcake.jp/

土偶を観に行く旅もいいな…『縄文遺跡ガイド~北海道北東北~』/インテリジェント・リンク編

縄文時代と一口にいうと、鎌倉時代、室町時代と並ぶような時代区分に聞こえてしまうかもしれませんが、それは大きな間違いです。

縄文時代は、紀元前〔BC〕1万2・3000年から、紀元前〔BC〕 300年までのことを指します(諸説あり、国史大辞典参考)。

さらりと言いましたよ。

しかしよく考えてみてください。

日本列島の歴史のなかで、約1万2000年間も、「縄文時代」ですからね?!

その後続く弥生時代は、紀元前3世紀ごろから紀元後〔AC〕 3世紀ごろまでですから、だいたい600年間です。

何でしょう、このバランスの悪さ。

その後の日本の歴史が1700年ですからね、弥生時代と足し算しても2300年間しかありません。

12000対2300です。約五倍です。

このボリューム感の違いは、皆さん意外と気が付いてないんじゃないかと思うんです。しかし、ちょっと冷静になってみてみますと、時代の長さだけで言えば、日本を代表する文化は縄文時代の文化と言うべきかもしれませんよ。岡本太郎さんの直観は大変正しい。

そんなこんなで前置き長いですが、仕事が煮詰まると、脳内旅行をし始めるのが私の習性。今日はふと、この本を手に取りました。

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先日見てきた「マスク展」@庭園美術館に触発されましたね。無意識でしたけど。

今回はフランスの博物館の収蔵品ですから、どうしても東アジアのラインナップが弱かったんですね。日本が世界に誇るプリミティブ・アートと言えば、そう「土偶」ですよね!!

こちらの図録は、トーハクさんで2009年に開催された「国宝 土偶展」のもので、当時、大英博物館で開催された展示の凱旋という意味合いもあったんですが、国宝指定されている三体、「縄文のヴィーナス」(茅野市棚畑遺跡出土)、「中空土偶」(函館市著保内野遺跡出土)、「合掌土偶」(八戸市風張1遺跡出土)を一度に観られるということで、ものすごく貴重な展覧会でした。

現在国宝に指定されてますのは、当時の三点に「縄文の女神」(山形市・西之前遺跡出土)、「仮面の女神」(茅野市中ツ原遺跡出土)が加わって、5体。

2009年当時も、この二体も、重要文化財としてラインナップされていて、もちろん見ることができました。

こうして、日本の素晴らしい原始美術を見てますと、やはりむくむくと、現地で観たいという気持ちが高まってきますよね。

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そこで、また手に取りましたのがこの本。

ずいぶん前に買って、行きたいところに付箋を立ててそのまま……(涙)。

北海道と北東北には、素晴らしい縄文文化の中心地ともいえる場所でしたので、三内丸山遺跡はじめ、見てみたい縄文遺跡はたくさんあります。

ただ、ちょっと気をつけなくてはいけないのは、意外と土偶現物はトーハクさんにあったりするんですよ。例えば有名な重文の遮光器土偶(つがる市木造亀ヶ岡出土。この本の表紙にレプリカが載ってますけど)は、トーハクさんにあり、たしか常設展でも観ることができます。

でも、やっぱり三内丸山遺跡かなあ。

恥ずかしながら、まだ行ったことないんです。昔、出版社の営業部にいたときに青森は担当地域だったので、何度も訪ねているんですが、空港から市内へ向かうバスでいつも標識だけ眺めて涙を呑む、ということをやっていました。

ああ、旅に出たい。夏の東北や北海道は、美しいですよね……。

アールデコと原始美術の不思議な調和が気持ちいい。/「マスク展」@東京都庭園美術館

フランス国立博物館の一つ、ケ・ブランリ美術館のコレクション展・「マスク展」をみにいってきました。

庭園美術館は、目黒駅そば。

実は我ながら意外なことに、庭園美術館に行ったのは今回が初めてです。

庭園美術館と言えば、旧朝香宮邸。アールデコ様式建築として、大変高名ですね。特に展覧会がなくても、建物や庭を見るだけでも、十分楽しめます。

フランスの装飾美術家アンリ・ラパンのロマンチックな内装設計、フランスのガラス工芸家・ラリックがデザインした多数のガラスによる装飾は、とにかく繊細で、ステキ空間。建物や大枠の内装は宮内庁の建築家や職人さんたちが作っていますから、そこには非常に控えめながらも和の美意識が感じられ、全体が和とアールデコの絶妙な調和を見せています。

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さて、そんな庭園美術館で、行われているのがこちらの「マスク展」だというのが面白い。

ちなみにこのマスクを収蔵しているケ・ブランリ美術館は、2006年にopenしたばかりの、アフリカ・オセアニアなどの原始美術をメインとした美術館だそう。前回フランスに行ったときに行っておけばよかったなあ、知らなかったですよ。

それにしても、アールデコ様式の瀟洒な内装の中に、原始美術というか、呪術的・異教的な仮面が展示されているというのは、なかなか見たことのないバランスですよね。

アフリカの仮面、ニューギニアの仮面は特に強力なパワーを発散していたように思います。やっぱり「強い」ですよね。ホント。問答無用!って感じがします。

ポスターに使われているのは、アフリカの仮面。どこの国だったかな^^;。アフリカ全土からの出品でしたのでちょっとわからなくなってしまいましたが…。

アフリカ、とひとくくりにしちゃいますけど、あれだけ民俗も文化も多様な大きな大陸ですから。仮面も、隣に置いてあっても例えばマリとコンゴなんて言ったら、アジアで言ったら日本とフィリピン位距離が離れてるんじゃないでしょうか。なので、これだけ多種多様なデザインがあるのも当然と言えば当然です。

それにしても、本当に面白い展覧会ですよ。

アールデコ様式で、あらロマンチックと思って視線をちょっとずらすと、ニューギニアの仮面がどーんとあるんですから。そしてそれが妙に調和しちゃってるんですよ。

取り合わせの妙ですね。本当に。

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さて、そして、展覧会を見た後は、こちらのミュージアムカフェ「カフェ・ド・パレ」でゆったりと。

ミュージアムカフェは、食器はノリタケ、ケーキはアニヴァーサリー、コーヒーは堀口珈琲だそうで、まるで今の東京でお洒落で上質なお店の逸品をそれぞれピックアップして一つの机に並べたような感じです。セレクトショップみたいな感じ。

私が頂いたのは、堀口珈琲のオリジンコーヒーと、季節のシフォンケーキ「柚子とオレンジ」です。シフォンケーキ、一瞬大きいな、と思いますが、シフォンケーキってほとんど空気ですのでね、瞬殺ですよ、瞬殺。

それにしても、良い時間でした。

少し小雨でしたが、風もなかったので、お外の席でいただいたのですが、庭の野花が可憐でね。明治時代のお庭と違って、派手さのないゆったりとどちらかというと地味なお庭です。それが何ともいい。リラックスできます。

マスク展は6月30日までだそうなので、もう一週間しかありませんが、ぜひ足を運んでみてください。

マスク展@東京都庭園美術館(~6/30)
http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/150425-0630_mask.html