file.78 竹風堂の「どら焼山」と「栗強飯(おこわ)」

いちにちいちあんこ

長野は大きな県ですね。

とても古くから文化の繁栄した場所ですし、それぞれ各地に特色のある自然環境があり、そこから生まれた独特な文化があります。長野、松本、佐久、上田、諏訪、伊那、木曾…と思いつく名前を挙げても、それぞれが有名ですよね。

さて、今回私が訪れたのは、長野市と上田市だけでしたが、日程の都合で行きたいけど行けなかった町の一つに「小布施」があります。

小布施といったら何でしょう。

そおです!!

「栗」ですよ~!!

そんなわけで、小布施にはいけないけど、せめて栗のお菓子だけはどこかで食べようと心に決めてました。

すると、上田駅のロータリーすぐ左手のほうに「竹風堂」さんが!!

旅に出る前、FBで、美味しいものを教えてください~ととお願いしたところ、こちらの栗どらをお勧めしていた方がいたので、ピンときました。

早速栗どらやきを買いましょう~~!おお、栗どらやきは〔どら焼き山〕というのですね。
……とはいえ、すでにお昼に刀やさんでおそばをいただいており、もうおなかがはちきれんばかりになっているので、一個だけにしました。

それから、目が釘づけになってしまったのは「栗強飯(おこわ)」です。

一人前を700円弱で食べられる…。

お腹もいっぱいだし、夕ご飯は軽めに、と思っていましたが、夕ご飯はこの「栗強飯」と、コンビニでお味噌汁買って、ホテルで食べたらいいじゃん!と思いつきました。

お店の方に、お散歩して6時にまた買いに来ます、とお願いしました。せっかくですから、アツアツのが食べたいですからねえ。

そして、上田城址公園をぐるぐるしたのちに、また駅前に戻り、アツアツのおこわをゲットしました。

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そして夕ご飯!!竹風堂さんの「栗強飯」です!

anko20140929-8栗強飯、栗がいっぱい入っていますよ~!
そして、ごぼうとウリの奈良漬けもどっさり。

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栗、少しだけ甘く煮つけてあります。でもあくまでもほんのりです。栗の風味のほうが際立つように絶妙な甘さ加減です。美味しい~~!!

おこわのもち米も美味しいです。本当にすこーしだけ塩味があり、栗の甘さを引き立てています。

そして、その甘さを味わった後にかじる奈良漬けの美味しいこと。口の中がキュッと引き締められてまた次の一口へと急いでしまいますよ!

ううむ。

これはすごい。

……ってことはですよ。

この栗をもとに作った栗あんも絶対美味しいですよね!?
私は確信して、にんまり微笑みました(不気味)。

しかし、さすがにお腹いっぱいです。翌日、帰宅してから味わって食べよう、と心に決めました。

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そして帰宅後の写真がこちらです!

「どら焼き山」。
「栗あん」どころか「粒栗あん」ですよ~!
anko20140929-9一日置いてしまったので、ちょっと心配でしたが、ふんわりとした生地、大丈夫そうですね!

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こちらが、栗あんです!

固形の栗の歯ごたえがちゃんとありますよ。贅沢感ますなあ。

お味のほうは、栗本来の風味を生かしたあんこで美味しい!

和栗って、そんなに濃ゆい、ガツンとした感じじゃないですよね。その良さをうまく引き出しているあんこだと思います。栗の風味が自然にほのかに漂います。香料など用いない自然な風味。

アズキのあんこのような癖もないので、あんこ苦手な方でも食べられそうだなあ、と思いました。

次回長野旅では、小布施に行くぞ!と心に固く誓いましたよ。

竹風堂
http://chikufudo.com/

file.77 島屋菓子舗の「厄除けまんじゅう」

いちにちいちあんこすっかり夏はどこかへ走り去り、秋の気配です。

皆さま、いかがお過ごしでしょうか。こんなにいいお天気なのに私は仕事…。ぶちぶち愚痴を言ってはため息をついておりますが、フリーならではの「土日は仕事」なのですね。

さて、そんな下で少々現実逃避的ではありますが、先週の長野旅で最終日に上田駅から別所温泉に行った時のお話をば。

上田駅そばのビジネスに泊まって朝早く駅に向かい、ローカル線上田電鉄に乗って、別所温泉を目指しました。

朝ごはんは、もちろん「おやき」!

駅の売店で買いましたのがこちら、

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ナスのおやき!

私は、自分のプロフィールに「あんことナスが好き」と書くほどのナス好きなので、長野県のおやきの具に定番としてナスがある、ということを知り、狂喜乱舞して毎日食べ続けました。

お店や、また地方によって皮がいろいろで、それを知るのも楽しい。上田駅で買ったこちらのおやきは、おまんじゅうのようなほんわり生地のおやきでした。上田市内の湯の丸庵さんというお店のもののようです。

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う、うまい~!!!

ナスは味噌で味付けされてまして、少し甘いお味噌とベストマッチ!これも大きな意味で「餡」といえなくもない。いちにいちあんこに数えられなくもない…かな?

さて、すっかり腹ごなしをした私は、いそいそと上田電鉄別所温泉線に乗り込みます。

この上田電鉄がまた良い!!
anko20140921-8二車両の小さな電車。こういうの大好き~!
しかも、一時間に二本くらいなのかな??
合間の時間は、改札が閉まってて入れないんですよ。それもなんかいい。

anko20140921-9車内もいいですよ~。丸い窓は昔、扉わきの戸袋窓が楕円形になっていたので「丸窓電車」と呼ばれていたそうで、それを残しているみたい。なんかそれもいい。
anko20140921-5そして30分ほどで、別所温泉駅へ到着!駅舎がまたかわい~!何とも言えない郷愁を感じますよ。関係ないけど『千と千尋の神隠し』を連想しちゃいました。

さて、ここから、がっつりお寺さんに参拝し、外湯に入りまくるのですが、そのご報告はまた別の機会に、ということで、いちあんこのご紹介へと参りましょう。

別所温泉は、なんと言っても温泉が素晴らしいのですが、もう一つ、「北向観音」さんというお寺さんで有名です。こちらの創立は825年とされており、とても古いお寺さんです。

長野市の善光寺さんは来世利益、北向観音さんは現世利益をもたらす、とされてるんだそうで、善光寺さんにお参りしたら、こちらも一緒にお参りしないと「片詣り」になってしまうんだそうですよ。

そして、この北向観音さんの周囲で昔から売られているのが「厄除けまんじゅう」。何店舗かで製造販売されてるらしいのですが、私は「島屋」さんで購入してみました。

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こちらがそのおまじゅうです!

写真は帰宅してからとったものなので、ちょっとギュッとなってしまってます。買ってすぐはもうちょっとふんわりとしてました。

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掌(たなごころ)にそっくり入ってしまうような、小さなおまんじゅうです。
一個75円だったかな?
anko20140921-10あんこはこし餡。黒糖の利いた皮と、素晴らしい調和をみせています!!

こしあんはサラッとほぐれてとけていく感じで、たまらん!特に、買ってすぐ歩きながら一個いただいたんですけど、やはり作り立てのおまんじゅうはひと味もふた味も違います。

本当に幸せな気持ちにしてもらいました!まさしく、観音さんのご加護ってやつですよ!

次回訪れたら、また島屋さんの厄除けまんじゅう食べたいけど、ほかのお店のも食べてみたい。きっと美味しいはず!!

あ、あと、島屋さんのおやきもぜひ食べてみたいな。

島屋菓子舗
http://tabelog.com/nagano/A2004/A200401/20001488/

 

 

 

 

 

 

胸がぐっと熱くなる…。人間賛歌に溢れたシリーズ第三弾登場!『本所おけら長屋(三)』/畠山健二著

昨年の夏刊行された『本所おけら長屋』は、なんと著者の畠山先生にとって小説としては二冊目の書き下ろし、時代小説としては一冊目の本でした。それが、なんとその一冊目から火が付きシリーズ化、今月には、早くも三弾目が刊行されました!

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江戸時代後期のお江戸は本所亀沢町にある長屋、「おけら長屋」で繰り広げられる物語。笑いあり泣きありの躍動感あふれる時代小説ですが、毎巻その勢いは増すばかり。今回の三巻もまた素晴らしいお話の嵐になっています。
こうして並べてみますと、いよいよ「シリーズ」という感じがしていいですね~~。毎回寄せてくださる百田尚樹先生の帯文言がまたたまらん!ですね。

今回は、はからずとも「親と子」について考えさせられるお話が揃ったような気がしますね。親子のきずなというのは、いろんな場面で試されたり、確認されたりしますけど、今回はそれを強く感じさせてくれる部分がたくさんあります。

たとえば、「こばなれ」では、江戸時代版「教育ママ」が登場します。息子の武士としての立身出世を願うあまり、それ以外は見えなくなってしまっているお母さん。そして、武士としては役に立たないかもしれませんが、噺家としての非凡な才能を持ってるんじゃないかと思わせる少年…。

「ふろしき」では、血のつながらない息子が生まれて喜びながらも、子を持つ責任を感じるあまりに、間違えたことをしでかしてしまう父親。

そして「てておや」では、二組の「父と娘」が登場します。母が死んで初めて父がいることを知った娘と、その存在を初めて知った父親。医師になりたいと頑張る娘と、心配なあまりに反対する父親。

さまざまな形の親子の愛情を、先生の筆が鮮やかに描き出します。ほんと、ぐっときてしまいます!!

このぐっとくるところも、人によって違うんだろうなあ。

私は、私事で恐縮ですが、最近父親との関係に少々問題がありましたので、「てておや」を読んで感動したと同時に、とても反省してしまいましたね。父にもっと感謝しないといけない、と心から思いました。

先生の小説を読んでますと、素直にそんな風に思えちゃうんですよね。押しつけがましくない、共感でもって説得されてしまう、そんなかんじ。先生のお作は、とにかく台詞回しが最高に面白いんですが、それに笑ったり泣いたりしているうちに心から余分なものが洗い落とされて、シンプルに、素直になれるのかもしれません。
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畠山先生は、東京目黒区生まれの、本所育ちで現在も在住という、問答無用の江戸っ子です。本書の主役ともいえる「万松」こと、万造と松吉は、まるで先生の分身のよう。お酒と女が好きで、下ネタと洒落が大好き。

今回のご本も、そんな先生だからこそ描き出せる、珠玉の短編集になっていると思います。

ぜひぜひ、お手に取ってみてくださいね!

 

それから、明後日18日。大阪の紀伊国屋書店本町店さんにて、トークショー・サイン会が開催されます!!

関西周辺の方、ぜひ足を運んでみてくださいね~!
先生のトークがまた最高に面白いですから!

ちなみに、15日に東京曳舟で開催されたサイン会は、大成功でした!多くの方にお集まりいただき、とても素晴らしい会になりましたことを、ここでご報告するとともに、スタッフの一員として感謝申し上げます。


紀伊国屋書店本町店

http://www.kinokuniya.co.jp/c/store/Honmachi-Store/20140901175852.html