file.69 亀末廣の「京のよすが」

いちにちいちあんこ京都、そして石造センパイと言えば、すぐ連想してしまうのが、亀末廣さんの「京のよすが」です。

もう10年以上前になりますが、石造センパイがお土産でこの「京のよすが」をくださったのが出会いです。石造センパイも、わたしより京都に通う率は多いと思いますが、その都度必ず買うお菓子、と言っておられます。私も京都に来ると出来れば買って帰りたいお菓子ナンバーワンです。

そんなわけで、今回も合流してまず行ったのはこの店先でした。

亀末廣地下鉄 烏丸御池駅からだと歩いて5分くらい。四条河原町からでも歩いて10分くらいでしょうか。なかなかメジャーなロケーションにありますが、一つ入った道沿いにあり、教えてもらえないとなかなか知りえないお店かもしれません。

この外観を見ていただくと一目瞭然と思いますが、昔ながらのスタイルを、自然にやんわりはんなり続けてらっしゃるなあ、というそんなお店です。お店の人もとてもあったかい感じ。

こちらは、生菓子や最中なんかも有名とのことなんですが、私はとにかくこの「京のよすが」。小さいサイズのが1000円です。今回も自分用に買いました!

そして、夜ホテルについてから、ほくほくしながらあけてみますと…
京のよすがかわいい~!まずこのパッケージからして違う!

右側は包装あり。赤い蓋のある小箱は包装紙をとったもの。「亀屋」さんだけあって、六角形ですよ。

「わあ、こんなに赤いふた、初めてかも」

と石造センパイ。いつもはもっといろんな色の入った花柄だったり、もうちょっと抑えめな感じのようです。確かに、私も何度かいただいてますけど、もう少しおとなしい感じだったかも。

「むとうさんのもあけてみてよ」

あ、そうか。ひょっとして私のは箱の柄が違うのかも??
早速あけてみますと…

京のよすが

おおお!
違う!
色が赤いですけど、銀波でしょうか、さらに激しい?感じの柄に!
京のよすがみてください~~~!
きれいすぎる~~~~~!

蓋を開けてみると、小さくて美しい干し菓子と半生菓子がこんなにたくさん詰まってます。季節によってこのお菓子のデザインが変わるのですが、今回はすごくグリーンが多い印象。

ひょっとして、新緑の季節だからでしょうか?

あ、そしてこの紫は菖蒲の紫かも?

風流ですねええ。
京のよすが干し菓子メインではありますが、あんこの入ったお餅のような半生菓子も入ってますよ。上品なこし餡をうすい求肥でくるみ、緑色の砂糖菓子で化粧がされてます。ううう、美味しいなあ。

一つ一つはとても小さなお菓子なのですが、きちんと手づくりされているからでしょうか、本当にしっかりとボリュームも感じます。この小さなお餅なんて一口でなくなっちゃいそうですけど、周りの緑色の食感がカリカリとして強いので、一口でというよりは三口でしっかり咀嚼していただく、という感じになるんですね。
しっかりとした味、しっかりとした歯ごたえ、そして美しい見た目…と、五感をフルに使っていただくからか、とにかく満足感が半端ない!

「自分へのご褒美だよね」

と石造センパイがにっこり。

いや、ほんとうにおっしゃるとおりです!

亀末廣
http://tabelog.com/kyoto/A2602/A260202/26000641

 

file.68 神馬堂の「やきもち」

いちにちいちあんこ

5月27日から31日まで、関西のほうに取材にいっておりました。

取材、というのはまさにその名の通りで、すぐにネタになるかどうかというよりは、自分の「ライフワーク」として考えていることについてのインプット取材、と言ったかんじ。

もちろん一日3あんこほど毎日あんこいただいてました!関西は本当にもう、あんこ美味しくて天国のようですよね!!その中でも印象深いものから、「いちにちいちあんこ」でもご紹介していきたいと思います。

さて。大阪で『山の神仏』展を見てから、翌日は石造センパイと合流して、心の師匠・N先生のところにごあいさつ。

久しぶりにお目にかかって、かわらぬ楽しいおしゃべり。先生も奥さまも変わらずお元気そうでほっとします。

先生ご夫妻のお宅はすべてがお手本です。

たぐいまれな美意識から、さりげないようになされた室内のしつらえは、いつうかがってもはっとする驚きがあります。

今回も玄関のところには、新しく手にいれはったという可愛らしい獅子の置物(たぶん室町ぐらい)がさりげなく置かれており、居間の床の間には、これまたさりげなく虎の近江絵が飾られていました。

「近江絵もこんな風に飾られるんですねえ!なるほど~!これまた素晴らし~!」
「せやろ、かいらしいて、好きやねん」と、奥さまがにっこり。

ううう、かっこいいなあ。憧れちゃうなあ。

さて、そんな素晴らしいお宅では、これまた京都ならではの美味しいお菓子を出してくださいます。

やきもち今回は、少しあたたかいあんこの入ったお餅を出してくださいました。
奥さまのお話だと、賀茂のほうに昔からある餅菓子とのこと。少しあぶってだしてくださってます。うわあ、おいしそう!!!

あったかいうちにどうぞ、と言われて早速…。

やきもちおおお!これは!!!

白いもち米の透明感のある味と、上質なアズキのさらりとしたつぶあんが絶妙にマッチ!

シンプルだからこそごまかしのきかないお味ですよ!!

それにしても、こういうお菓子をいただくとつくづく京都というのはすごい土地だなあと思います。正直言って、白いお餅とあんこのお菓子です。同じ材料でほかの土地でも作られているでしょう。なのに、なんとも言えない洗練さがあるように感じずにはいられないのです。

ううむ。すごいなああ。

関東に帰ってきてからいただいたやきもちを思い出しながら検索してみると、おそらく神馬堂さんのやきもち、じゃないかな?と思われました。

これは、ぜひ次回京都に来たときには、買いに行かなくては!!

食べログの口コミを拝見すると、午前中には売り切れてしまうようなので、午前中に買いに行く、と…。脳髄に鋭く叩き込みましたよ!!

神馬堂
http://tabelog.com/kyoto/A2605/A260503/26000370/

file.58 鶴屋吉信の「風流しるこ 花吹雪」

いちにちいちあんこ

鶴屋吉信さんと言えば、「京観世」があまりにも有名ですが、以前ご紹介した「つばらつばら」のような、今っぽさを取り入れた新しい名物もきっちり作りあげてらっしゃるお店です。

全国に販売店があり、このいかにも京都らしいお味とデザインをどこでも味わうことができますね。よく考えたらすごいことですよね!虎屋さんが東の雄と言えば、鶴屋吉信さんは西の雄ってかんじでしょうか。

さて、今日のいちあんこは、またもや友人Sちゃんがおすそ分けでくれたもの!!

Sちゃんのおすそ分けで、私のあんこ生活はそうとう潤っておりますよw。本当にありがとね~!
風流しるこ

さて、こちらです!「風流しるこ 花吹雪」!

わあ、こういうのもあるんですねえ。初めて見ましたよ。
サイトを見てみますと、「木々の露」という「おしること葛湯のセット」みたいです。私が頂いたのはその中の「風流しるこ」。いちばんオーソドックスな感じかな。ほかの二種はお茶味の「挽茶あられ」、みつ豆の具が葛湯に入っているみたいな「みつ豆葛湯」。どれもきれいでおいしそうです!

風流しるこ

あけてみますととこんな感じです。あられとこしあんが見えますね。
こちらにお湯を入れて、御汁粉にするってことみたい。

風流しるこ

さてさて。

お湯は沸騰したものを180ML。

#あ、でも実は食べ終わって気づいたんですけど、たぶんお湯の量100MLくらいしか入れてない気がします。あやや・・

そしてゆるゆるとかき混ぜますと、少しトロリとしてきました。

風流しるこ

中には小さな求肥が二つ入っています。あられの香ばしさと、求肥がポイントになっていて、いいかんじです。あんこも、さすが鶴屋吉信さん。安定の美味しさですよ。上質なあんこは風味がしっかりしていますけど、さらりとあと味がすっきりしています。

それにしてもきれいだなあ。「風流しるこ 花吹雪」の名前そのままに、まるで花びらのようにのように、これは米粉か何かでしょうか、あられ以外にも細かな白いものが浮いています。こういうちょっとしたしつらえが「京都」だなあ、と思っちゃうんですよね。ちょっとひと工夫と言いましょうか。

風流しるこそして、小豆も数粒入っていますが、これがまたしっかり美味しい!
ほんと、さすがですね。

こちら、いうなれば「おしるこ」と「葛湯」の間の和菓子…ってかんじかな?!

おしるこほど重くなく、葛湯よりは和菓子をいただいたなあという実態感がある、みたいな。

これをいただいてますと、久しぶりに京都に行きたいなあ…と思ってしまいます。
春になったら今年は京都に行かなければ!

花吹雪の京都。…乙ですねえ。

鶴屋吉信
http://www.turuya.co.jp/index.html