連載『フカボリ山の文化論』第7回目「金剛山と動く人々の系譜」。役小角・行基・空海・楠木正成に共通するのは自由で強い魂!/YAMAP MAGIZINE

歴史を見てみると、歴史上に名を残すような天才が、どうしてこんなに集中して登場したの?と驚く時代や場所があることに気付きます。

どうしてなのかわかりませんが、天才が生まれやすい時代や場所というのはあるのかもしれません。革新的な流れが、全体に渦巻いているからなんでしょうか。

さて、そんな時代と場所で、今の日本文化を屋台骨を形成した場所の最も重要な場所が、金剛山地ではないかと、私は思っています。そんな思いもあり、私にとって金剛山地は憧れの地ですし、特別な場所なのです。

そんな思いを込めまして、『フカボリ山の日本論』の第7回目は金剛山について書かせていただきました。

金剛山には、定住する様式を持つ人々ではなく、動く前提で暮らす人々の聖地だったのではないか、と思ってるんですね。

修験道の祖とされる役小角。

日本仏教黎明期の傑僧・行基。

大乗仏教の到達点である密教の伝承者・空海。

日本史上最大の軍事的天才・楠木正成。

………わあああ、いかがですか、この綺羅星のようなラインナップ。

こんなすごいビッグネームが、すべて金剛山で修行してるんですよ。これは偶然ではないと思います。そして彼らには、共通点があると思うのですね。それは、自由を愛する気風、清濁併せのむようなスケールの大きさ、理想を貫く心の強さ。私はそんな共通点を、「金剛山魂」と名付けてしまいました。

そんな思いを込めて、本編の方を書いてみました。今回の金剛山は、大阪府サイドの金剛山、という感じですね。実は、奈良県サイドの金剛山地と、大阪府サイドの金剛山は、全然雰囲気が違うんです。そのあたりももうちょっと書きたかったな~。いずれそのへんのお話も、いずれかで書いてみたいと思います。

金剛山というと、低山ハイクのイメージが強い方もいらっしゃるかもしれませんが、ぜひこんな角度でも楽しんでいただけたらと思います。あの場所の凄さをもっと多くの人に気付いていただけたらなと切に願っております。

(むとう)

連載『フカボリ山の文化論』、第二回目は「富士山と不老不死の物語」です!/YAMAP MAGAZINE

11月26日に始動した「YAMAP MAGAZINE」さんにて連載中の「フカボリ山の文化論」第二回目が公開されました!

第二回「富士山と不老不死の物語」

2019年最後のお話は日本一のお山「富士山」!

「YAMAP」さんは、登山用地図アプリでシェアナンバー1。つまり、富士山に登りまくっておられる方が、わんさかいらっしゃる場所です。YAMAP編集部でも、富士山登山で必要なあれこれは、たくさん書いて行かれるだろうということで、私は全く役に立たないけど、知らない人も結構いるかもしれない不思議なお話を、思い切って書いてみました。

私にとって、富士山と言われると、即座に思い浮かぶ言葉が「不老不死」なんですよね。それくらい、富士山には不老不死にまつわる物語がたくさんからんでくるんです。それは、中国の宗教である「道教」が大きく関係しているんですが、意外と知らない人も多いんじゃないかと思います。

そんなこんなで、「神仙境」としての富士山、といった感じで書いてみました。富士山の文化誌的な内容なのに、浅間神社さんが一切登場しないという、一風変わった内容です。こんなおかしな角度で、フカボリ&深読みするのも「文化系アウトドア」の醍醐味! ぜひ、読んでみてくださいね~!

最後になりますが、富士市役所のSさん、富士宮市教育委員会のTさんには、写真のご協力など、大変お世話になりました。誠にありがとうございました!!

(むとう)

 

BE-PAL.NET連載「文化系アウトドアのススメ」まとめ②修験道の原郷「金剛山」

昨年年末からアウトドア雑誌『BE-PAL』さんのwebで始まった連載「文化系アウトドアのススメ」。連載と言っても不定期。しかも3回に分かれていたりするもんで、繋がりがわからなくなっちゃうよという、知り合いの感想があり。テーマごとに、こちらでもまとめをつくっておこうと思い立ちました。

だいたいひと月に一度、テーマが変わるようなペースで執筆してるんですが、最初のテーマは「大和葛城山」、次のテーマは「金剛山」でした。

上の写真は、大和葛城山から望む金剛山!
昨年の11月に訪れた時は、秋の紅葉が始まっていて、そりゃもう美しかったですよ!

金剛山は、関西の皆さんにはめちゃめちゃメジャーなお山だと思いますが、関東在住の人は、あまりご存じないかもしれませんね。私は歴史好きなので「金剛山」はいつも気になる山でしたし、ぜひ一度登ってみたいと思っていました。「登ってみる」なんて言っちゃってますけど、この取材は、思いっきりロープウェイに乗ってますけども……(恥)。

それにしても、あらゆる意味で、本当に魅力的な山でした!!

とにかく歴史が濃い!!
今回は、「修験道」にフォーカスして取材しましたが、あらゆる時代の記憶の蓄積がものすごい場所で、その深遠さに慄き、オロオロして終わった、と言ってもいいかもしれません。ぜひまた訪ねたいです!

そしてこの取材でうれしかったのは、旅の途中に出会った大阪の皆さんに、ものすごくよくしていただいたということです。記事ではご紹介しきれきませんでしたが、宿泊した山荘・香楠荘さんも、素晴らしかったです。

そして、本っ当に!!
お食事美味しかった!
鴨鍋サイコー!
上の写真、これ一人前ですよ。見切れちゃってますが、お蕎麦もついていて、さらに〆の雑炊までありますから、もう……。

さらに、こちらに戻ってきてからも、金剛山の核心というべき転法輪寺のご住職には、お電話やメールで、何度も対応していただきましたが、癒しの連続でした。こういう出会いがあるから、この仕事辞められないんです。ほんと生きててよかったなあ、と思います。

そんな熱い思いが吹きだしてしまった3回。ぜひお暇な時に、まとめてご覧ください!

第1回目「大阪府の最高峰、修験道の原郷「金剛山」へ!」

第2回目「創建は2000年前!?金剛山で悠久の時を感じる」

第3回目「これぞ金剛山の魂!転法輪寺で異形のほとけに出会う」