累計58万部の大好評シリーズ、記念すべき第10巻発売。そして早くも重版決定!『本所おけら長屋(十)』/畠山健二著

編集のお手伝いをさせていただいている『本所おけら長屋』シリーズ、第10巻発売。いよいよ大台に突入しました~~!!
発売日は、昨日。バタバタしておりまして、ご紹介が遅くなってしましましたが…

なんと今日。

PHPの担当編集者・Aさんから、「発売日2日目にして、重版決まりましたよ~~!と、めちゃくちゃ嬉しいお知らせが~!

ぎゃ~~!!
素晴らしい初速~~~!!!

Amazonでのランキングもいい感じで、本シリーズの読者の皆さんの「待ってました!」という掛け声が聞こえてくるような気がします。

さて、そしてその記念すべき10巻目ですが。

今回も、めっちゃくちゃ面白いですよ~~!!
安心して、期待してください!

第10巻のテーマは「男の友情」。

いろんな形の「男の友情」が、笑いと涙に彩られて、また何ともいい調和を生み出しています。

第一話「さかいめ」
おけら長屋に新入りが登場。小さいながらもお店の若旦那のくせに、不良を気取る弥太郎。商いの基本を学ぶためにと、ぼて振り八百屋の金太の手伝いを始めますが、金太を騙して売り上げをくすね…

第二話「あかぎれ」
旗本屋敷に通い奉公するお福が、ある日助けた富山の薬売りの和助。年に二回会えるだけでいい、何の約束もしないで…というお福さん。なんともしっとりいい女です。これぞ、畠山先生流の「大人の恋愛」!

第三話「あおおに」
人付き合いの下手な青年・喜之助と、折り合いの悪い継母のいる家で、なんとなく居場所のない少年・長太郎。長太郎が病弱な弟のために動き出そうとするとき、年を越えて芽生える友情とは……

第四話「もりそば」
異常なほど恋愛体質な研ぎ屋の半次。お美代が自分に一目ぼれしたと思いこみ、自分も惚れてるから夫婦になろうと告白するため、万松にそそのかされて大食い大会に出場するが……

第五話「おくりび」
江戸っ子も憧れる「火消しの中の火消し」松五郎。いい男で、気風がよくて鯔背でまさに「完璧な江戸っ子」。しかし、実は、人には絶対に言えない秘密があって…

今回も、色とりどり揃いました!

人によって、またお好きな物語は違うだろうと思いますが、個人的には、第三話「あおおに」と、第5話「おくりび」が特に堪らなかったです。

「あおおに」はとにかく長太郎と、清一郎という兄弟が健気で……
二人は異母兄弟なのですが、とにかくお互いを思い合っているのです。
そして、人との付き合いができない喜之助にも、口やかましいけど弟思いのお兄さんがいます。この二組の兄弟がもう、なんともいいのです。

そして「おくりび」は、いやあ、もうこれこそ「おけら長屋」の真骨頂!
本当にこの人たちときたら、なんて優しいんだろう。
――ラストシーンでは、そんな思いで胸がいっぱいになって、目頭熱く…

そんなわけで、ぜひ皆様。
お手に取ってみてくださいね~!

(むとう)

 

25万部突破シリーズ、第七弾登場!あの名医・聖庵先生の過去が明らかに!?『本所おけら長屋(7)』/畠山健二著

畠山先生渾身の書下ろしシリーズ、『本所おけら長屋(7)』第七弾いよいよ発売です!!

発売日は9/10。少々フライングですが、ご報告させていただきます。

今回もさすがは畠山先生、いつもながらの笑いも涙もモリモリ、そして新しい試みてんこ盛りです。

最も大きな新展開は、お江戸を飛び出す一篇「あまから」でしょうか。

これまではお江戸の中でのお話でしたが、第五話「あまから」は本所を飛び出して、江ノ島が舞台になっています。しかも、火盗改と鉄斎さんが出張って、大捕り物が繰り広げられちゃいますよ~!

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そして、今回読者の一人として、個人的にはまってしまいましたのは、第二話「ひだまり」です。

長年、おけら長屋を支えてきた名医・聖庵先生。くちは悪いけど人情溢れるお人……。しかしその実像は謎でしたが、今回それが明らかになります。
やはり、というかなんというか、もう、ものすごい苦労人なお方だったのですよ、聖庵先生。だからこそ……

いや~、もうこれ以上お話ししますと、ネタバレになってしまいますので、ぐっとこらえます。

でもですね、なんと申しますか、とても切ないです。大人になればなるほど、切なさが増すような気がします。編集として、びしっと読まなくてはいけない、と思いながらも、何度読んでも目頭を熱くしてしまっておりました。

……改めて、おけら長屋は読む人によって、ぐっとくるお話が違うんだろうなあ、と感じます。今回私にととっては「ひだまり」でしたが、ひょっとしたら、その時の精神状態によっても変わるかもしれません。ぜひ、みなさんのぐっとくるお話を探してみてくださいまし!

そしてそして。

今回は発刊を記念いたしまして、9/15、八重洲ブックセンターにてトーク&サイン会が開催されます!!
ご存じの方も増えてきていると思いますが、実は畠山先生はトークの名手です。
さらに、立川談慶師匠も高座をしてくださいますよ~!めちゃくちゃ楽しい一夜になること間違いなしです。贅沢!

ぜひ「リアルおけら長屋な世界」を体感しに来てくださいね~!

畠山健二 先生トークショー&サイン会 with 立川談慶
(八重洲「本書く派」寄席 番外編)

http://www.yaesu-book.co.jp/events/talk/10142/

(むとう)

おけら長屋のお節介は、ついに幽霊にまで!?巻を重ねてますます絶好調の大好評シリーズ第五弾登場!『おけら長屋(五)』/畠山健二著 

2013年7月からスタートした大好評シリーズ『本所おけら長屋』。3月と9月、年に二回のペースで刊行を重ねまして、ついに第5弾の登場です!

私も第二巻より、編集のお手伝いをさせていただいておりますが、回を重ねるごとに、先生の筆は冴えわたり、すっかり自分自身も、お江戸・本所に実在する人情長屋にいるような心地になっております。
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毎巻、「裏テーマ」を決めるとおっしゃる畠山先生。
今回の裏テーマはと言うと「ファンタジー」とのことなんですね。
どういうことかと申しますと、今回はちょっと不思議な出来事が物語を動かすキーになっているのです。
例えば、第一話「ねのこく」では、幽霊が登場しますし、第4話の「まさゆめ」では、夢の中で起こったことが現実に影響して…、といったかんじです。

拝読していて、さすがだなあ、と感心してしまいますのが、おけら長屋の連中にかかりますと、幽霊までお節介の対象になる、ということ。
最初はこわがってるんですけど、だんだん幽霊の身になってしまい、「どうにかしてやろう」となるのです。そこがまたたまらなくいいんです。

そして、今回も女性読者に大人気の、「殿様」こと、津軽高宗さんも再登場しますし、どのお話しも素晴らしく面白いのですが、私が特に好きなのは、第五話「わけあり」です。
第4巻の最終話「あやかり」で登場した、めちゃくちゃかっこいいお婆さん「お熊さん」が、再登場するんです!

先生が描く女性は、かっこいい人が本当に多いと思うんですよね。気風が良くて、思いやりがあって、かわいらしい。お熊さんも、まさにそんな女性です。
お熊さんの生業は「金貸し」です。でもただの金貸しじゃない。貧乏人に貸す金貸しなんです。ほとんど利子もつけないし、回収し損ねることも多いように思える、お熊さんの金貸し。
なんでそんなことができているのかが、今回明らかになります。そして、お熊さんがどんな人生を歩んできたかも……。

人生、決して良いことばかり起こる訳じゃない、でも、やっぱり精いっぱい生きるっていいなあ、人間っていいなあ、と改めて思えるお話になっているように思います。

「どの話が好き」が、人によって分かれるのが『おけら長屋』の真骨頂。皆さんも、ぜひお手にとっていただき、好きなお話を見つけてください!

(むとう)