2017年は「慶派イヤー」!⑥始まりました!『運慶』展!!@東京国立博物館(9/26~11/26)


『快慶』展、そしてついに始まった『運慶』展!

待ちに待った『運慶』展、いよいよ始まりましたね~!

『2017年は「慶派イヤー」』ということで、何度か既に弊HPでも書かせていただいておりますが、今年は4-6月には『快慶』展(@奈良博さん)にて開催され、秋には、この『運慶』展が開催されるということで、多くの仏像ファンが浮足立ち続けた一年、と言っていいんじゃないでしょうか。

それにしても奈良博さんの『快慶』展、よかったな~。
あの「金色の坩堝(るつぼ)」空間は、本当に素晴らしかった。

快慶という人がつくりあげようとしたものの一端に、ちょっとだけ身をひたせたような気がしました。「理解した」とかではなく「身をひたせた」という表現が自分的には正しいかんじ。あの深遠で濃厚な世界を私ごときが「理解した」なんておこがましい。でも、理屈じゃなく体感させてもらえた何かはある、そんな感じなのでした。

さて、一方の『運慶』展はどうかな~。

10月15日より前の平日が狙い目かも?!

今日は贅沢にも、神仏探偵ことH先輩と、担当編集のSさんもご一緒です。
いいですね!誰かと一緒にというのは!

平日木曜日のお昼頃でしたが、待ち時間は20分でした。とはいえ、実際にはそんなに待たなかったように思います。10月15日にNHKの『日曜美術館』で放映があるそうなので、その前までだったらだいたいこんな感じなんじゃないかな、と予想。
なので、皆さん、そこをひとつポイントとお考えいただくといいんじゃないかなと…。

様々な雑誌で特集を組まれていましたから、どんなラインナップかはご存じの方が多いと思います。私は、こういういい方はあれですが、あえてあまり雑誌を拝見しないようにしてました。
というのも、運慶や慶派のお像は、本当に有名なものばかり。拝観したことがあるものが多いんですね。なので、今回は「何が来て何が来ないか」を、知らないままには拝見したかったんです。

仏像好き人生のエポックメイカー・毘沙門天さん@願成就院!

実は、仏像好きの人生を歩むことになるきっかけをもらった仏像というのがありまして。それは、願成就院の仏像なのです。
あれは確か、小学2年生のころ。伯母の家が願成就院の近くにありまして、私がすでに仏像好きだと聞いた伯母が、願成就院に連れて行ってくれたのです。

それまでは、好きだけど、「唯一大好き!」というわけではなかったんです(エジプト考古学にも同じくらいはまっていたのでした)が、この出会いにより、圧倒的に仏像のほうへとひきつけられてしまったんです。

それも、願成就院の「毘沙門天」像でした。
看板の写真にも登場している、こちらのお方です!

30年ほど前のことですから、当時の願成就院は本当に小さくて、子どもが見てもかなり質素な現代風のお堂でした。その小さなお堂の中に、ものすごい存在感の阿弥陀仏、毘沙門天、不動三尊像が所狭しと並んでおられました。

その時の衝撃ときたら……!!

仏教のこともよくわかりませんし、何の知識もありませんけど、「うわあああ」と思いました。ここまで振り切ってると、これがものすごいんだということは、子どもにだってわかるんです。

でもよく考えたら、ここ数年お目にかかっていません。2013年に国宝に指定されたと聞いて、まるで身内の尊敬している長老が受勲したような、誇らしい気持ちになったりしてたんですが、最後に拝観したのはそれ以前ですから、もう7・8年は拝観できてませんね。

ポスターにも図録の表紙にも登場しているくらいですから、間違いなく来られているでしょう。願成就院は国宝5体こられてるのか。否か……。

(続く)

『運慶』展 @東京国立博物館
http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1861

 

【2017宗像・対馬・壱岐旅】⑤価値観のインフレ発生!「神宝館」、フロア全部「国宝」状態の凄さ


注意!しばらく「第二宮・第三宮」は修復工事中

高宮斎場から下り、右手に曲がると第二宮・第三宮があります。第二宮には沖ノ島の沖津宮に祀られている「田心姫神(たごりひめのかみ)」、第三宮には大島の中津宮に祀られている「湍津姫神(たぎつひめのかみ)」の分霊がそれぞれ祀られています。
現在は修復中とのことでお詣りできませんが、神さま方の分霊は、本殿のほうに遷してあるので、そちらで一緒にお詣りすればいいとのことでした。
じつは、こちらの第二宮・第三宮の建物は伊勢神宮の内宮別宮(ないくうべっくう)の社殿だったものだそうで、伊勢神宮にしか許されない建築様式「唯一神明造」だと聞いていたので、できれば拝見したかったんですよね。残念!

もし、こちらもぜひ、という方がいらしたら10月以降に予定されるといいと思います!(できれば、電話で確認したほうがいいかもしれません)

「神宝館」、そのほとんどが国宝という贅沢さ

そして、沖ノ島の神宝をおさめた「神宝館」へとやってきました。

「沖ノ島神宝」8万点は、一括して国宝に指定されています。「海の正倉院」とも称される沖ノ島の神宝は、4世紀後半から約550年もの間の、貴重な古代祭祀の遺物であり、祭祀の姿が変遷していく様を、そのままに伝えてくれています。

今回、ちょっと冷静な面持ちでこちらを拝見できたのは、2014年8月に丸の内の出光美術館で開催された「宗像大社国宝展」でちょっと免疫があるからなのです。有名どころは今回二度目、というものもありましたので、だいぶ落ち着いてみることができました。
それにしても、あれもこれもそれも「国宝」!
同じフロアを見ていた年配の男性グループが「なんじゃ、どれが国宝なんかわからへんのう」「ほんまや」といった会話をずっとしておりましたが…

――お父さんたち。

ここのフロアにあるもの、全部「国宝」、っすから!!

と話しかけたくなるのをずっとこらえるのが大変でした。
確かに沖ノ島関係の展示、全部国宝なので、わけわからなくなります。
普通だったら大きなフロアに国宝が一点ある、とかですよね。
未指定のもの、市指定のもの、県指定重要文化財が来て、国指定文化財、そして、一番盛り上がるところに……「おおお、これが国宝ですか!」どっかーん、…みたいな感じじゃないですが。それだって十分にすごい話なわけです。
しかしここでは価値観のインフレが起こっちゃうって言うか…

3階フロアの後半に、社伝の文化財も展示されてましてですね。宋代の狛犬や、足利尊氏奉納の胴丸と兜に、宗像大社文書など、大変貴重なものばかりです。すべて国指定重要文化財なんですけど、むしろ目立ちますよね。逆に。

春日大社さんの国宝殿も同じような気持ちになりましたが、ほんと、あるところにはまとめてあるんですね。

(ご覧のように立派でなかなか広い建物ですので、ご注意を!)

あ、とんでもなく余談ですけど。
こちらの建物三階建てでかなり広いですし、何しろ展示されているものも国宝ばかりで、時間をかけて拝見したくなりますが、おトイレが一階にしかないので(ムトウ調べ、たぶん)、気を付けてください!
私は、三階でおトイレに行きたくなったのですが見当たらず、かなり焦ってはしたなくも失礼ではありましたが、階段を走り下りておトイレ探してしまいました。ちなみに、エレベーターは一基あったと思いますが、一般の方は階段を使用、という感じでしたのでその点もご注意を。

(続く)

土偶を観に行く旅もいいな…『縄文遺跡ガイド~北海道北東北~』/インテリジェント・リンク編


縄文時代と一口にいうと、鎌倉時代、室町時代と並ぶような時代区分に聞こえてしまうかもしれませんが、それは大きな間違いです。

縄文時代は、紀元前〔BC〕1万2・3000年から、紀元前〔BC〕 300年までのことを指します(諸説あり、国史大辞典参考)。

さらりと言いましたよ。

しかしよく考えてみてください。

日本列島の歴史のなかで、約1万2000年間も、「縄文時代」ですからね?!

その後続く弥生時代は、紀元前3世紀ごろから紀元後〔AC〕 3世紀ごろまでですから、だいたい600年間です。

何でしょう、このバランスの悪さ。

その後の日本の歴史が1700年ですからね、弥生時代と足し算しても2300年間しかありません。

12000対2300です。約五倍です。

このボリューム感の違いは、皆さん意外と気が付いてないんじゃないかと思うんです。しかし、ちょっと冷静になってみてみますと、時代の長さだけで言えば、日本を代表する文化は縄文時代の文化と言うべきかもしれませんよ。岡本太郎さんの直観は大変正しい。

そんなこんなで前置き長いですが、仕事が煮詰まると、脳内旅行をし始めるのが私の習性。今日はふと、この本を手に取りました。

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先日見てきた「マスク展」@庭園美術館に触発されましたね。無意識でしたけど。

今回はフランスの博物館の収蔵品ですから、どうしても東アジアのラインナップが弱かったんですね。日本が世界に誇るプリミティブ・アートと言えば、そう「土偶」ですよね!!

こちらの図録は、トーハクさんで2009年に開催された「国宝 土偶展」のもので、当時、大英博物館で開催された展示の凱旋という意味合いもあったんですが、国宝指定されている三体、「縄文のヴィーナス」(茅野市棚畑遺跡出土)、「中空土偶」(函館市著保内野遺跡出土)、「合掌土偶」(八戸市風張1遺跡出土)を一度に観られるということで、ものすごく貴重な展覧会でした。

現在国宝に指定されてますのは、当時の三点に「縄文の女神」(山形市・西之前遺跡出土)、「仮面の女神」(茅野市中ツ原遺跡出土)が加わって、5体。

2009年当時も、この二体も、重要文化財としてラインナップされていて、もちろん見ることができました。

こうして、日本の素晴らしい原始美術を見てますと、やはりむくむくと、現地で観たいという気持ちが高まってきますよね。

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そこで、また手に取りましたのがこの本。

ずいぶん前に買って、行きたいところに付箋を立ててそのまま……(涙)。

北海道と北東北には、素晴らしい縄文文化の中心地ともいえる場所でしたので、三内丸山遺跡はじめ、見てみたい縄文遺跡はたくさんあります。

ただ、ちょっと気をつけなくてはいけないのは、意外と土偶現物はトーハクさんにあったりするんですよ。例えば有名な重文の遮光器土偶(つがる市木造亀ヶ岡出土。この本の表紙にレプリカが載ってますけど)は、トーハクさんにあり、たしか常設展でも観ることができます。

でも、やっぱり三内丸山遺跡かなあ。

恥ずかしながら、まだ行ったことないんです。昔、出版社の営業部にいたときに青森は担当地域だったので、何度も訪ねているんですが、空港から市内へ向かうバスでいつも標識だけ眺めて涙を呑む、ということをやっていました。

ああ、旅に出たい。夏の東北や北海道は、美しいですよね……。