『本所おけら長屋』/畠山健二著


入院前に、校正読みをお手伝いさせていただいた一冊をご紹介します。入院してしまったために校了作業のお手伝いまでできず、N編集長にはとてもご迷惑をおかけしてしまったので、個人的には申し訳ない気持ちでいっぱいなのですが、なんといっても素晴らしい作品ですので、こちらでもご紹介させていただけたらと思います。

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私は、ちょっと元気がないときに「時代小説」を好んで手に取ります。

最大限弱っているときには、山本周五郎さん。
人間関係に嫌なことがあったりして元気が出ないときは、池波正太郎さん。
センチメンタルな気持ちになっているときには藤沢周平さん。
自分に元気(喝)がほしいときには隆慶一郎さん。

時代小説を書かれる小説家の先生というのは、どうしてこんなに「人間」に詳しいのでしょうか。人生の厚みみたいなものを教えてくださいます。

さて、今回ご紹介する『本所おけら長屋』も、そんな時代小説の一つです。

著者の畠山健二さんは、もともと演芸作家としてご活躍されている方だそうなので、台詞回し、掛け合いが絶妙に楽しい。下町・本所の江戸っ子たちの人情溢れるお話の数々は、「人間賛歌」に満ちています。

細かく好きなセリフなど書いてしまうとネタバレになってしまうので、控えますが、たくさん好きな言葉があります。そして何と言っても、かけあいの呼吸が絶妙。空気感と言いましょうか。
うううん。たまりません!

そうですね、これは…。「いやなことがあってしょぼんとしている時」に読む本に決定!
この本を読めば、きっと、私も頑張ろう、と顔をあげてにっこり笑えるんじゃないかと思います。

ぜひ、お手に取ってみてください!